進化する組織、停滞する組織
人の力は大別して2種類あります。ひとつが、肩書きや地位による権限や権威、所有物、専門知識・技術など、
外部の評価によって計られる「外部評価による力」。もうひとつが、適応力、気付き力、協調性、
自主性など様々なプロセスの中で発揮される内側のスキルともいうべき「じぶん力」です。
この2つの力。組織を維持していくにはどちらも必要ですが、どちらを重視してコミュニケーションをするかで、組織の質は大きく変わっていきます。
人は誰でも自分は大切な存在だと思いたい。そのために生きています。
ですから周囲の人の評価を気にして「外部評価による力」を過剰に重視する傾向があります。「外部評価による力」は他人から見て、明快な評価だからです。
特に「外部評価による力」偏重になりがちなビジネスシーンでのコミュニケーションでは、上下関係重視になります。
活発な意見の交換が行われず、上意下達な単調なものになりがちです。
上から下という関係での仕事は、作業を求めるだけならその方が合理的という考え方もあります。
しかし、それで「やりがい」を感じることができるでしょうか?。
それでは、言われたことだけをしていたらいいという考え方を強めるだけではないでしょうか。
これでは相手の「じぶん力」である、気付きや、適応力などを活かすことができません。
一方、「じぶん力」重視のコミュニケーションでは、自分や相手のポスト、ポジションにかかわらず対等な立場で、一人ひとりの意見、
気付きなどが共有されます。活発な意見交換が行われ、有機的に人をつないでいきます。
ほとんどの場合、仕事はチームワーク(役割分担)です。自分のポスト、ポジションでモノを言うことが必要な場面はもちろんありますが、
対等な立場で、率直、誠実にコミュニケーションをとることによって、より多くの意見、気付きを得ることができるのです。
「外部評価による力」と「じぶん力」。どちらを重視してコミュニケーションをするかが、
「進化を続ける組織」「停滞する組織」の分かれ道といっても過言ではないと言えるのではないでしょうか?