本質を意識する
皆さんこんにちは!『「自分時間」のための段取力』著者の吉田です。第4回の今回は、「仕事の本質」について考えてみましょう。
日々の仕事の中で上司やお客様からの指示を受ける場合、その指示の種類はおよそ次の2つに分かれます。
1つは「仕事の目的や納期だけを指示される」というケース。
そしてもう1つは「仕事の進め方や手順まで細かく指示される」というケース。
前者は細かい方法や進め方に関する具体的な指示がないので、「やり方は自分で考えるように」と、突き放された感覚を覚えるかもしれません。
これに対して後者は、一見すると「部下想い」の上司が思い浮かびそうです。
が、果たして実際にそうなのでしょうか?
経験のない仕事に臨んだとき、きっとあなたは「具体的な指示が欲しい!」と思うことでしょう。もちろん、最初から自分なりの方法でできるほど仕事は易しくないもの。よって、最初は方法や手順をしっかりと教わることが大切だと言えるかもしれません。
しかし、これが2回目以降も続くとなると、話は別です。
おぼろげながらでも全体像が頭に描けるような仕事の場合には、具体的な方法論は自ら考える姿勢が大切です。
細かく指示を受けると、確かに間違いは減るでしょう。指示を出す上司としても、とにかく言った通りにやってもらえばいいのですから気は楽でしょうね。
しかし、「言われた通りにやる」→「考えずにやる」→「よく似たことにも応用が利かない」→「結局長い目で見ると非効率…」という図式が成り立つとすれば、早い段階から自分なりの工夫で先に進むという「試行錯誤」があってもいいのではないでしょうか。このことがあなたを大きく成長させてくれるのは間違いありません。
ただし、その場合に大切なのは「本質」を見失わないこと。
仕事には必ず「目的」があります。その目的を達成することが仕事の本質。やり方にこだわるのではなく、目的を意識するのです。目的が分かりにくければ「なぜそんな指示を受けたのか」「その指示で何を達成することが求められているのか」と自問自答してみましょう。それでも分からなければ、それは指示者に確認しなければなりません。
また、指示する側に立ったときには、これらのことがより重要になります。場合にもよりますが、仕事の目的はしっかり伝え、その進め方は他者に任せるという指示が最も優れた指示であることが多いものです。
逆に、目的を伝えずにやり方ばかりを伝えるのは「戦略なき戦術」であり、「根治療法ではなく対処療法」です。ぜひとも避けるべきことだと心得ておきましょう。