明日の仕事にきく。読めば俄然やる気になる ビジネスキーパーソンwebインタビュー

株式会社オーシャンブリッジ
代表取締役社長
高山知朗

●高山知朗(たかやまのりあき)1971年長野県生まれ。大学卒業後、アンダーセンコンサルティング(現アクセンチュア)に就職。その後、ウェブ制作ベンチャーを経て01年、オーシャンブリッジを設立、代表取締役社長に就任し現在に至る。
高山社長のブログはこちら⇒ http://www.oceanbridge.jp/taka/

第76回 前編

「つかえるITを、世界から。」を合言葉に

肝心なのは「日本のお客様に分かりやすい形」
最初に会社概要をお聞かせください。

高山社長:「つかえるITを、世界から。」を合言葉に、日本ではあまり知られていない海外のビジネス向けソフトウェアやITサービスを発掘し、販売しています。

もちろん、ただ海外から持ってきて販売しているだけでなく、マーケティングや販売で多くのアライアンス企業さんと協力し、日本のお客様に最適な形でお届けしています。

海外で華々しい活躍をしている企業が、日本支社を作って日本に進出してきても、2、3年で撤退してしまうことがありますよね。その原因の1つは「日本のお客様に分かりやすい形」を意識していないことにあると思います。

たとえば、導入事例を紹介するにしても、アメリカでの事例を翻訳して紹介するだけでは、「どうせアメリカでの話。日本ではどうなのか分からない」という反応を示す方も多いので、私たちは市場立ち上げの初期から日本での事例を盛り込んだパンフレットを作成するなど、いろいろと工夫しています。

これまでに日本で販売されたソフトには、どういったものがありますか?

高山社長: たとえば、文書公開・共有システム「Net-It Central」があります。これは、様々な形式のドキュメントをイントラネットのウェブ上で手軽に公開・共有できるというもので、ウィルコム様、ブリヂストン様など大手企業を中心に540社以上のお客様にご利用いただいています。

また、Officeファイル圧縮・軽量化ツール「NXPowerLite」も、多くのビジネスユーザ様に支持されています。写真やスクリーンショットを貼り付けて容量が重くなったPowerPointファイルなどを、ドラッグ&ドロップするだけで最大20分の1にも圧縮してくれるソフトで、日本たばこ産業(JT)様、三井造船様をはじめ6000社以上で活用されています。

この「Net-It Central」や「NXPowerLite」をはじめ、ビジネス向けの便利でユニークなソフトウェアを日本に紹介することで、業務効率を改善し、企業の業績向上と日本経済の発展に貢献したいと考えています。導入いただいた企業の方から「本当に便利です!」「次はどんなソフトを紹介してくれるんですか?」と言われたときは、本当にうれしいですね。

起業を決めたきっかけは?
オーシャンブリッジ設立の経緯をお聞かせください。

高山社長:私の祖父は長野で小さな会社を経営していました。そのため、小さいころからあとを継ぐことを意識していました。特に、高校生のころに父を亡くし、「自分が継がなければいけない。経営者にならなければいけない」と強く思うようになりました。

そのため、昔からコンピューターが好きだったのでそれ関連の大学にも興味があったのですが、実際は政治経済学部経済学科に進み、経営者として必要なことを学ぶことにしました。

大学卒業後はコンサルティング会社に就職されましたよね。

高山社長:はい。家業を継ぐ前の修行のつもりでした。約4年弱働いた後、家業を継ぐ前にもう少し小さな会社で働こうと思い、「3年間修行させてください」とウェブ制作関連のベンチャー企業に転職しました。

実は、ここでの経験が会社設立に深く関わっています。というのも、そのウェブ制作会社で、先ほどご紹介した「Net-It Central」の日本市場立ち上げを担当したのですが、その事業を独立させたのがオーシャンブリッジの始まりだったのです。

最初は家業を継ぐ予定だったのですよね?

高山社長:はい、そのつもりで「3年間の修行」といって転職したのですが、いざ約束の3年を終えるときに、「本当に実家に帰ってしまっていいのか。せっかくここまで頑張って自分で事業を立ち上げてきたのにもったいない」と思うようになったのです。それだけ仕事にやりがいを感じていた、というのもあるでしょう。もともとコンピューターも好きでしたし、その前のコンサル時代の海外赴任で日本と海外の文化の違いに直面していたので、そのギャップを埋めたいという気持ちもありました。ですので、家業を継ぐのではなく起業する決意をしました。

まずは120%頑張ることから始めよう
経営者として、事業だけでなくマネジメントにも力を入れている高山社長に、社員を育てるために必要なことなどを伺いました。