明日の仕事にきく。読めば俄然やる気になる ビジネスキーパーソンwebインタビュー

株式会社ファンコミュニケーションズ
代表取締役社長
柳沢安慶

●柳沢安慶(やなぎさわ・やすよし)1964年長野県佐久市生まれ。成城大学経済学部卒業後、広告代理店に就職。インターネットプロバイダーを経て、99年10月株式会社ファンコミュニケーションズを設立、代表取締役社長に就任。インターネットのアフィリエイト(成果報酬型広告)型広告大手。05年11月ジャスダックに株式上場。
(株)ファンコミュニケーションズ:http://www.fancs.com/

第8回 前編

何かを失ってでも、得たいものがある

インターネットにはものすごい可能性が
現在の主な事業内容をお教え下さい。

柳沢社長: インターネット広告の中の、アフィリエイト広告専門会社です。広告主と、広告を掲載していただくメディアやコンテンツの仲介を行っています。

なぜアフィリエイトの会社を立ち上げようと思われたのですか?

柳沢社長: もともとISP(インターネットサービスプロバイダー)の会社で働いていました。その時に、「インターネットはものすごい可能性を持っている」と思っていました。その後、フリーのライターをしながらサービス価値のありそうなビジネスモデルを探していました。

そんな時、98年ごろだったと思うのですが、アメリカのビジネス情勢を勉強していると、アマゾンをはじめとしたeコマースの売上げが上がってきて、それまでの「インターネットは儲からない」という風潮が変わってきているということを知りました。なぜ売上げが上がってきているのかを調べてみると、実はアフィリエイトが重要な役割を担っていることがわかってきました。それで、アフィリエイトの会社をやってみようと思いました。

アフィリエイトって何?説明に追われた創業期
サービスを始められたころはアフィリエイトというのは世間ではあまりなじみがなかったのではないですか?

柳沢社長: そうですね。サービス開始から約5年半になり、今でこそ皆さんにご理解いただいています。しかし営業を始めたころは、仕組みを分かってもらえない、仕組みがなんとなく分かっても「効果あるか」とはねつけられるなんてこともよくありました。ですから苦労しながらも、とにかく「アフィリエイトというのはこういうものなんだ」と説明して回りました。

それでもアフィリエイトの可能性を信じて続けてこられたわけですね。

柳沢社長: はい。アフィリエイトは普通の広告と違って変化に強い広告だと思います。通常の広告媒体は、編集者が情報を探してきて作ります。しかし、1人の情報収集力には限界があります。一方、アフィリエイトは、個人メディアの集合体です。だからこそ飽きっぽい消費者に素早く対応して変化していけます。この「素早く変化に対応する」というのは、これからのビジネスのキーワードだと思います。マイクロソフトはスゴイ技術を持っていますが、Linuxはみんなで作り上げていくのでスピードが速い。それと同じではないでしょうか。

失敗にくよくよせずチャレンジし続ける
一緒に働きたいと思うのはどんな人ですか?

柳沢社長: チャレンジ型の人で、何か専門を持った人がいいですね。 チャレンジ型とは、新しいことに果敢に挑戦していく前向きな人。いくら失敗してもくよくよしないで、チャレンジし続けてほしいです。

専門を持っているというのは、ただ何か資格を持っているといったことではありません。自分の知識や技術をビジネスに役立てられている人が、本当の意味での専門を持った人です。

社長として面接に立ち会われることも多いと思いますが、どんなところを見られますか?

柳沢社長: これまでにやってきたこと、そしてこれからやりたいことにきちんと筋が通っているかどうかですね。あとは新しいことを始める決意、覚悟があるかどうかです。

それはどのように見抜かれるのですか?

柳沢社長: 転職される方なら、「給料が下がるかもしれないよ」と質問してみます。その答え方で、決意や覚悟が分かります。何か新しいことを始めるときは、これまで持っていた何か失うものです。「何かを失ってでも、得たいものがある」、そう覚悟をきめている人を採用したいですね。

柳沢社長も現在の会社を立ち上げるにあたり、何か失われましたか?

柳沢社長: とにかく時間ですね。特に創業期は自由な時間は一切なくなりました。それでもやってよかったと思っています。

達成感がたまらない。仕事とマラソンの共通点?
マラソンが趣味だという柳沢社長に、仕事との共通点や、フリーライター時代に学んだ今でも役立っている教訓などについて語っていただきました。