明日の仕事にきく。読めば俄然やる気になる ビジネスキーパーソンwebインタビュー

株式会社ファンコミュニケーションズ
代表取締役社長
柳沢安慶

●柳沢安慶(やなぎさわ・やすよし)1964年長野県佐久市生まれ。成城大学経済学部卒業後、広告代理店に就職。インターネットプロバイダーを経て、99年10月株式会社ファンコミュニケーションズを設立、代表取締役社長に就任。インターネットのアフィリエイト(成果報酬型広告)型広告大手。05年11月ジャスダックに株式上場。
(株)ファンコミュニケーションズ:http://www.fancs.com/

第8回 後編

達成感がたまらない。
仕事とマラソンの共通点?

自分は何が出来そうなのか?
柳沢社長は、広告代理店、ISP(インターネットサービスプロバイダー)、フリーライターなど、さまざまな職業を経験されていますが、転職の際にはどのようなことを重視されましたか?

柳沢社長: 「自分は何が出来そうなのか?」を考え、自分の進むべき方向性を決めるようにしています。例えば、私はもともと文章を書くのが好きだったので、「ものを書く仕事なら出来るだろう」と思い、フリーライターになろうと決意しました。

今とはずいぶん仕事内容が違いますね。

柳沢社長: 確かに違いますね。しかし、フリーライターや広告代理店での勤務など、これまでの全ての経験が今の仕事に役立っています。

例えば、広告代理店でコピーを作っていたときは、1つのコピーを作るのに、まず100個の案を出し、最終的に1つに絞るのが普通でした。最初の20〜30個はすぐに出てくるのですが、そこからが大変です。結局、99個の案はゴミ箱行きになるので、無駄な労力だと思われるかもしれません。しかし、100個も案を出そうと思うと、自然と物事を色々な角度から見るようになります。その努力のおかげで、今では新聞のコピーなどを見ても、適当に考えて作ったのか、すごく考えて作ったのかがすぐに分かるようになりました。

こうした物事を色々な角度から見るというのは、広告コピーだけでなく全ての業種に不可欠なことだと思います。

仕事も趣味も「苦しいことの後に達成感」
05年にはジャスダックに上場されましたが、上場で何か変わりましたか?ご自身の年収とか(笑)

柳沢社長: いやいや、何も変わらないですよ。税金も増えますしね。

でも30歳のころに比べれば増えたんじゃないですか?

柳沢社長: そうですね。そのころに比べれば2倍くらいにはなったと思います。

2倍なら生活も一変したんじゃないですか?

柳沢社長: 例えば、お寿司でもウニだけ食べるとか、そんなちょっとしたぜいたくはできるようになりましたね。あと、私はジョギングが趣味なんですが、ジョギングシューズを買うとき、値札を見ないでどんな機能がついているのかで選べるようになりました。

ジョギングが趣味なんですか

柳沢社長: ええ、昨年はフルマラソンを3回走りましたよ。日ごろから時間があれば走るようにしています。

でも結構苦しいスポーツですよね。

柳沢社長: 老化への反抗としてやっている面もあります。だんだん年を感じるので、何とか体力を維持しようと思っています。それと、走っている最中は苦しいのですが、走りきった後のお酒と食事が美味しいんですよ。

苦しいことを頑張ったからこその喜びですね。

柳沢社長: そうです、達成感です。「苦しくてもその後に達成感が待っている」というのはマラソンも仕事も同じだと思います。

でも苦しいことというのは避けたくなりませんか。

柳沢社長: だから、まず目標を宣言してしまうんです。マラソンの場合だと、とにかく出場申し込みをしてしまいます。すると走らないわけにはいきませんからね。仕事でも同じです。「アフィリエイトの会社を立ち上げる」「今年の売り上げ目標は○○にする」と宣言してしまえば、それに向けて努力せざるを得ないですから。

仕事のことが頭から離れない社長の気分転換
ジョギング以外の趣味は?

柳沢社長: ジョギングの次は自転車を始めようかなと思って、色々と自転車を探しているところです。会社まで走ってくると汗だくになりますからね。それに自転車なら買い物にも行けますし。あとはたき火ですね。

たき火ですか?

柳沢社長: たき火台というのがあるんですよ。去年それを買ったんですが、たき火を見ながら飲む日本酒は格別ですし、気分転換にもなります。いつも仕事のことが頭を離れませんから、こういう気分転換の方法が見つかって、本当に助かってます。

編集を終えて
「まさにスポーツマン」といった感じの外見に違わず、実際にマラソンが趣味だという柳沢社長。アフィリエイトという新しい広告モデルを日本に普及させた方なので、新しいもの好きな方かと思っていたが、趣味のマラソンと同じく、じっくり一歩づつ物事を進めてこられた印象を受けた。それが会社の成長の要因のようだ。今後のますます発展を期待したい。(インタビュアー:まぐまぐ 野田宜成)