部下が思い通り動かない理由
こんにちは、株式会社フェイスホールディングス代表取締役社長の小倉広です。今回より5回に渡って、リーダーとしての心得から、メンバーを動かす関係づくりや仕組みづくりなどをお伝えしていきたいと思います。
さて、誉めても叱っても動かない部下や後輩に困り果てたことはありませんか?
役割分担で決まっているのにそれをやらない。はい、やります!と元気よく答えたのにやっていない。致命的に重要なことをなぜか後回しにする…。
あなたはその理由がわからず混乱することでしょう。そして、必死になって教えたり、叱ったり誉めたり、部下と格闘します。しかし、あなたはさじを投げてしまう。「こいつにいくら言ってもムダだ」とあきらめるのです。
しかし、その考えは間違っています。あなたに必要なのは発想の転換。そもそも「部下を思い通りに動かすことは不可能」と自覚すべきなのです。
部下を見張り命令し「言われた通りにやらなければクビだ!給与を下げるぞ!」と脅すことは簡単です。しかし、あなたが見張りを止めた途端に部下は手を止めサボるでしょう。それはあなたの望むところではないはずです。
では、どうすれば部下が命令せずとも自主的、主体的に、やるべき仕事をやるべき方法でやってくれるようになるのでしょうか?
まず最初にあなたが部下とすべきはビジョンの共有です。この仕事をした先にあるワクワクするような状態を部下と一緒に描くのです。そのビジョンには、組織の状態だけでなく、部下の個人的な姿も必要です。仕事ができるようになり成長したカッコイイ部下。その姿を一緒に描き共有してあげるのです。
次にすべきなのは達成の道のりを見つけてあげること。その際に答えを提示することはやめましょう。部下に考えさせ、自分で見つけさせてあげるのです。ただし、手助けは必要です。『WHAT・何をすべきか』、『WHY・なぜすべきか』、『HOW・どうやればいいのか』。これらをすべて脇に寄り沿い共に考えてあげるのです。
最後にあなたがすべきはフィードバックです。定めたビジョンややり方と、現状がずれていたならば「ずれているよ」とだけ教えてあげることです。その際に大切なのは評価したり叱ったりしないこと。その瞬間にその仕事は部下が主役ではなくあなたが主役になってしまう。上司であるあなたが、部下の権利を奪ってしまうからです。部下が仕事の主人公になるチャンスを奪ってはいけません。
上司や先輩である私たちにできるのは、部下がやりたいと思い、やれるようになるようなお手伝いをすることだけ。『過去と相手を変えることはできない』。しかし『未来と自分を変えることはできる』のです。
「部下を変えることはできない」が「上司が変わることならばできる」
部下が仕事の主人公になる権利を上司が奪ってはならない
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