事実はひとつでも解釈は無限
こんにちは。「3分で実践!キャリアアップ究極のビジネスマナー」のシンマです。人のさりげない一言から学ぶことって多いですよね。ダイヤモンドがダイヤモンドでしか磨けないように、人も人との関わりの中で磨かれていきます。私の出会った5人の方の、さりげない一言とそこからの学びを紹介してゆきましょう。
■今回の一言
「 あの事件があったで良かったんだわ」
母 新間 つや子
連載の第1回目でもご紹介したように、私の父は、元参議院議員の新間正次です。1992年の参議院議員選挙に当選したまでは良かったものの、学歴の記載事項が問題となり裁判までした挙句に辞職をすることになりました。
父の天真爛漫な行動に対して貧乏クジを引くのはいつも母なのです。
父は、売れないローカルタレントの時代が長かったのですが、安定しない収入を支えるために、内職をしたり、時には自分の着物を売りに出したりして不足分を補っておりました。
ようやく、父がレギュラーを持ち、20年以上の長寿になる人気番組になりました。母としては、子供も独立し「これからは悠悠自適に」と思った時に選挙への挑戦。当選、ところが失職…
嫌な思いも沢山したはずなのに、「あの事件があったで良かったんだわ」と言い切るのです。さらに、
「政治は素人がやるもんじゃないんだわ。あの事件がなかったとしても、きっとどこかで足元をすくわれとったに決まっとるでねぇ。まぁ、命をとられたわけじゃないんだで、ヨシとせなあかんわぁ」
まさに、究極のポジティブ思考です。
ビジネスにおいても見方をちょっと変えるだけでピンチをチャンスに変えられます。
例えば「あいつの発言のせいでこのプロジェクトも台無しだ」なんて思ったことはありませんか?
でも、良く考えてみれば、たった1人の発言によって崩れるようなプロジェクトは本物とは言えません。「あいつの発言のお陰で事前に弱点が分かって良かっ
た」と考えるほうが健全です。
また、経験不足で動きが悪ければ、指摘を受けることが多いでしょう。そんな時に「何で、俺ばっかり責められるんだよぉ」と被害者的に思っているようでは成長しません。
「こんなに自分のことを、期待してくれているんだぁ」と考えれば力が湧いてきます。
事実はひとつでも解釈は無限です。厳しい指摘も「責められている」と感じることも出来れば「アドバイス」と受け取ることもできる。つまり、自分の捉え方を変えるだけで、無限の可能性が広がると言えるのです。