コミュニケーションを支えるもの
こんにちは。「3分で実践!キャリアアップ究極のビジネスマナー」のシンマです。人のさりげない一言から学ぶことって多いですよね。ダイヤモンドがダイヤモンドでしか磨けないように、人も人との関わりの中で磨かれていきます。私の出会った5人の方の、さりげない一言とそこからの学びを紹介してゆきましょう。
■今回の一言
「ええか、秘書には『自分がする』なんて無いんだわ」
父が議員だった頃の後援会の幹部A氏
A氏は、秘書として駆け出しだった私に対してこう言い放ちました。
さらに「何でも『させていただく』だでな、よ〜覚えときゃ〜よ」と名古屋弁のA氏が物静かに喋ると余計に凄みがでます。
しかも面と向かって「間に合わんやつは、どこに行っても間に合わん」とも言われてしまいました。お前はどこにいっても役に立たないということですね。全く何て事を言う人だろうと正直思いました。
国会議員の秘書という肩書きは、ともすると自分を勘違いをしてしまう職種かも知れません。前職が「公立中学校の先生」。若僧のくせに「先生、先生」と保護者からも呼ばれ続けてきました。自分では腰の低い方だと思っていたにも関わらず「させていただく」というスタンスが欠けていたのでしょう。
「〜させていただく」「頂戴する」「拝見する」…
「謙虚な気持ちを持ち続けること」ってビジネス全般に通じる大切なことですよね。でも、実力がついてくるとついつい緩んでくるのもこの部分です。
今、皆さんは仕事上どんなポジションにいらっしゃいますか?仕事に慣れ、いわゆる中堅クラスになり『使える奴』と言われるようになった時にこそ要注意。
「ああ、それはですねぇ…」
「そんな考え方もありますが…」
「おっしゃることは分かりますが…」
こんな言葉を多く使っていませんか?すべては相手の意見を遮る言葉ばかり。謙虚に意見を頂戴する言葉ではありません。これでは、相手の言いたいことを理解することができません。
相手の意見が、たとえ言葉足らずであったり、明らかに間違っていると感じてもまずは、「謙虚な気持ち」を持って丁寧にその話に耳を傾ける。これでこそお互い通じあえるというものです。
お互いの言い分を理解しあう事が、ビジネスマンにとっての必須のスキルということはいうまでも無いですが、その当たり前を支える「謙虚さ」というものは、見失いがちです。
いくら自分ではコミュニケーション能力が高いと思っていても、「謙虚さ」が欠けていたら、それは独りよがりでしかないのです。
冒頭で紹介したエピソードでのA氏は、
「謙虚さの無い人間と話してもしょうがない。こっちの言いたいことを理解すらできないだろう。そんなやつは、どこに行ったて良い仕事なんかできるわけがないんだよ…」
ということを言いたかったんですね。
まずは、右も左も分からなかった新人の時のことを思い出してください。そして、最初に厳しい言葉を頂いた時のことを思い出すのです。きっと、謙虚な気持ちを取り戻せることでしょう。