明日の仕事にきく。読めば俄然やる気になる ビジネスキーパーソンwebインタビュー

株式会社ハー・ストーリィ
代表取締役社長
日野佳恵子

●日野佳恵子(ひの・かえこ)島根県出身。タウン誌編集長、広告代理店などを経て、1990年に広島市で主婦市場を専門とするマーケティング&コンサルティング会社を設立。元祖クチコミマーケティング提唱者としてクチコミをビジネスに生かせる仕組みやコミュニティ作りを推進している。

第70回 前編

社名に込められた
「女性の人生を応援したい」という思い

F2層に特化したマーケティング
最初に会社概要をお聞かせください。

日野社長:簡単にいうと女性マーケティング、コンサルティングの会社です。女性のみをターゲットにした会社自体少ないですが、当社はその中でもF2層(35〜49歳)に特化しています。

全国に10万人のモニターを擁しています。そのモニターからの情報を収集・分析し、企業の課題解決のお手伝いをし、大手メーカーから、小売、流通、行政まで、幅広い顧客企業から支持を得ています。

女性、その中でもF2層に着目された理由は?

日野社長:目立つ流行を作り出しているという意味では、ひとつ下のF1層に注目が集まりがちですが、「購買者のリーダー」という視点では、F2層こそ注目すべきだと思います。

なぜなら、彼女たちの多くは主婦であり、自分だけでなくパートナーや子供に関する商品にも大きな影響を持っています。つまり、マーケットボリュームが大きいのです。

他社にはない一貫した“消費者、女性目線”
なるほど。ではそうしたF2層を対象としたマーケティング、コンサルティングでもっとも大切なことはなんだとお考えですか?

日野社長:生活者の視点に立つことです。言い換えれば買う側の視点、つまり「この商品がこうだったら買う」ということを意識することです。そうした視点からのコンサルティングが、必ずしも最初から顧客である企業に歓迎されるわけではありません。時にはぶつかることもあります。それでも最後までこの視点を大切にすると、最終的には成果につながり満足していただけます。

社名の「ハー・ストーリィ」の由来は?

日野社長:英語にすると「Herstory」です。「History (His Story=男性の人生)」に対して、女性の人生を応援していこう、という思いが込められています。人生はとても長いものです。その人生において、目の前だけでなく、長くつながり続けていきたいと考えて付けた名前です。

最近ではマーケティングの大切さがよく語られていますが、ライバルも増えたのではないですか?

日野社長:確かにマーケティング会社は増えていると思います。不景気で物が売れにくいという時代背景もあるのでしょう。ただ、私は当社のライバルやいわゆる競合はいないと思っています。

なぜなら、先ほども申し上げたように、当社はF2層に特化しています。もちろん、そうした主婦を集めたコミュニティはいくつかありますが、私たちはただのコミュニティではなく、しっかりとしたリサーチを行い、その上で商品のクリエイティブや店頭ポップのアドバイス、場合によっては店員の教育まで、一貫して女性目線で行っています。そこまでしている企業は少ない、というかほぼありませんので、競合はないと思っています。

「楽しいこと」を見つけるために今必要なこととは?
後編では日野社長の起業のきっかけや、
読者へのアドバイスを伺いました。