明日の仕事にきく。読めば俄然やる気になる ビジネスキーパーソンwebインタビュー

株式会社リンクアンドモチベーション
代表取締役社長
小笹芳央

●小笹芳央(おざさ・よしひさ)株式会社リンクアンドモチベーション代表取締役社長。1961年生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、株式会社リクルートに入社。人材部人材開発課長、大手町営業所長、組織人事コンサルティング室長、ワークス研究所主幹研究員など歴任。00年リンクアンドモチベーション設立。
(株)リンクアンドモチベーションwebサイト:http://www.lmi.ne.jp

第7回 前編

モチベーションを高めて、
企業と働く人間の想いを1つに

字画で決まった社名!?
なぜ、リンクアンドモチベーションという会社名にされたのですか?結構長い名前だと思うのですが。

小笹社長: 社名には「モチベーション」という言葉を使いたいと考えていました。その上で、親孝行のつもりで姓名判断が趣味だった母に、「カタカナでも字画は関係あるの?」と聞いたのです。すると「関係ある、31画がいい」と言うのでそれにあわせて考えました。31画にするのはなかなか難しかったのですが、人と人をモチベーションでつなごうと考えていましたので、リンクという言葉が思い浮かび、それでも31画に足りなかったのでアンドを付けました。

他にも候補名はあったのですか?

小笹社長: モチベーションサイエンスやモチベーションファクトリーなど、たくさん考えましたよ。

ところで、最初に「モチベーション」という言葉を社名に使いたいと思ったのはなぜですか?

小笹社長: 80年代の後半、外資の戦略系コンサルティング会社が日本に進出してきました。その影響もあり、効率的な経営が日本でも広まっていきましたが、将来、「心や人」に対して企業経営者は悩むだろうと思っていました。周りを見てもコンサルティングの中でモチベーションに特化した会社はなかったので、私の思想「モチベーション」を社名に入れようと決めました。

モチベーションを維持する2つの方法
モチベーションというのは具体的には何なのでしょう?

小笹社長: やる気と考えればいいと思います。我々は、その中でも「ワークモチベーション=仕事のやる気」をテーマにしています。まずは個人のやる気を高めるのが最初です。そして、企業とそこに働く人間が相互に理解し、その想いが重なり合うようにするにはどうすればよいか、与えるものと受け取るものが双方に納得できるような仕組みづくりを支援しています。

小笹社長はどのようにモチベーションを維持されているのですか?

小笹社長: 若いころは、モチベーションが下がるとよく地球儀を見ていました。「日本って小さいなー、東京はもっと小さいんだ。その中の私はもっと小さいなー」という感じで自分の悩みは小さいんだと考えて、「よしっ何とかなる、頑張ろう」と思っていました。モチベーションを維持するのは、方法さえ分かれば難しいことではないのです。

その方法ぜひ、教えてください。

小笹社長: 2つの方法があります。1つはタイムスイッチ法、もう1つはズームスイッチ法です。

タイムスイッチ法は、時間軸にフォーカスした方法です。例えば、何か目の前に問題があり「どうしよう」となった時、目先のことでなく10年後のことを考えてみます。逆に、将来に対する不安から身動きが取れない人には、起こりもしない5年後、10年後にさいなまされず、目先のことを楽しもうとアドバイスします。つまり、時間軸を切り替えてモチベーションを維持していくのです。

また、わざとイベントを作るというのもタイムスイッチとして有効です。誕生日をきっかけに行動を変えるとか、引っ越しをしてみるとかです。人間は、初日の出などイベントを重んじる傾向にあります。太陽はいつも同じで、お正月だけ特別なものではないですよね。だから、わざと初日の出を作るのです。例えば、毎月1日は自分だけのお正月。1日に気持ちを切り替えて、目標立てようという具合です。

もうひとつのズームスイッチ法というのは?

小笹社長: ズームスイッチ法は、空間軸にフォーカスしたものです。例えば、入社したての若い人の中には「このままでは業界は縮小してしまうのではないか心配だ」とか、「この会社はこのままで大丈夫なのだろうか?」と悩む人も多くいます。そんな時は、まず目先のことに集中して1つ1つクリアしていけばいいのです。逆に目先の仕事で悩んでいたら、さきほどの地球儀の話のように、物事を大きく捉えればいいのです。

小笹社長が実践してらっしゃる簡単な方法教えてください。

小笹社長: 親友や仲間に連絡して飲みに行くことですね。会社関係でない人で、気が合う人と話していると物事の見方を変えるきっかけになります。話していると元気になる人をリストアップしておくと便利です。気分が落ち込んだ時にそのリストを出して、連絡すれば良いのですから。

3ヶ月ごとに年始休暇
こちらの会社のカレンダーは、1、4、7、10月の頭に連休があります。どうしてですか?

小笹社長: 通常の会社は、1年で計画を立て成果を見ていきます。でも、1年って長いと思いませんか?私は、昔から1年間モチベーションを維持し続けることができなかったんですよ(笑)。新たな目標を立て、それをやり遂げ、見直すにも3ヶ月周期が一番いいやと思ってました。だから、会社を作った時に、どうせ3ヶ月周期で計画を立てるのであれば、分かりやすく区切りを作っちゃおうと思い、3ヶ月を1年と考え3ヶ月ごとに年末年始休暇を4日間作ることにしました。

タイムスイッチ法を地で行っているわけですね。

小笹社長: そうなんです。だから、事業計画も3ヶ月で1年にしています。3ヶ月ごとにお正月の気分で気持ちを新たにできるからとってもいいですよ。

小笹社長は、いろんなモチベーション維持方法をお持ちですね

小笹社長: それが専門ですから(笑)。

自分を高く売る方法とは?
自分の価値を高めるにはどうしたらよいのか?小笹社長にアドバイスをいただきました。