明日の仕事にきく。読めば俄然やる気になる ビジネスキーパーソンwebインタビュー

夢の街創造委員会株式会社
代表取締役社長
中村利江

●中村利江(なかむらりえ)富山県生まれ。関西大学文学部卒業。大学在学中、女子大生のモーニングコール事業を立ち上げ学生起業家として活躍。大学卒業後、リクルート入社。月間ハウジング事業部でトップセールス、年間MVP賞受賞。その後インテリアコーディネーターを経て、1998年ハークスレイ(ほっかほっか亭本部)入社。ケータリング事業の立ち上げから、仕組み作りを開発し、売り上げに貢献。2001年プランニング会社、キトプランニング設立。同年夢の街創造委員会マーケティング担当役員として事業をサポート。2002年社長就任。2006年大証ヘラクレス上場。

第78回 後編

「最大限の努力をしたのか」と
自分に問いかけてみよう

月給10万円だった社長就任当初
社長になられた当初はいかがでしたか?

中村社長:本当に大変でした。最初の2年ほどはまさに、「3歩進んで2歩下がると」という状況でした。

私自身も黒字化できるまでは、月給を10万円にしていました。もちろん家族には内緒でしたので、貯金を切り崩す生活をしていました。でも努力の繰り返しが徐々に形になり、単月黒字が見え、事業が軌道に乗り始めました。

社長として心がけていらっしゃることはありますか?

中村社長:泣き言を言わないことです。最初のころは3日に1回ぐらいは辛くて辞めてしまいたいと思っていました。でも、そのことは一切、口には出しませんでした。社長は企業のエンジン役だと思います。そのエンジン役が弱音を吐いていては会社が前に進めません。だからこそ、前向き発言を心がけていました。

また今は、会社の成長スピードを速め、躍進するために権限委譲を心がけています。これまでは、どうしても私が何でもやってしまう「中村商店」的な雰囲気の強い会社でしたが、それでは会社として大きく躍進することはできません。ですので、メンバーに仕事、そして権限を委ねるようにしています。具体的にはそれぞれの身の丈よりも1つ高い地位につけ、そこで頑張ってもらいます。

もちろん最初から完璧にはできないでしょう。でも、今はできなくても次は頑張ろうとしてほしい。そうすることが個人の、そして会社の成長につながるはずです。

弊社はベンチャー企業ですから、安定志向の人材は必要ありません。新しいことにチャレンジしようとする人を求めています。

失敗はあっても後悔はない
社長業はお忙しいと思います。どのように気分転換をされていますか?

中村社長:ワインが大好きなので、ワインを飲むことが気分転換になっていますね。

ただ、私はもともといやなことだったり辛いことを引きずらずに、その日のうちに結論を出してしまうタイプなんですけどね。というのも、辛いことがあっても放っておいたら解決はしません。たとえ他人に原因があったとしても、他人は変えることができないですし、変えられるのは自分だけです。だから、何か問題があったらその日のうちに、どうやったら解決できるか、課題は何なのかを出してしまうことにしています。漠然とした辛さや不安でなく、明確な「課題」という形になれば、自分が何をすべきかも分かりやすくなりますよね。それが分かれば後は課題を解決するために頑張るだけです。

最後に読者の皆さんにアドバイスをお願いします。

中村社長:やりきっていないのにああだこうだ言っても仕方がありません。もし、今の仕事に何か不満があったとしても、石にかじりつくつもりで1年は頑張ってみましょう。中途半端はいけません。精一杯力を出し切ってみましょう。そうすれば後悔することもないと思います。迷ったら、「最大限の努力をしたのか」と自分に問いかけてみることです。

中村社長ご自身、振り返ってみて後悔することはありますか?

中村社長:失敗したなと思うことはあっても後悔はありません。その時々、全力を尽くしているからです。

もちろん、全力を尽くしても苦境に立たされることはあるでしょう。でもそれを人のせいにしても何も変わりません。変えるのは自分です。自分に原因があると考え、その原因を解決することを心がけることが大切です。