明日の仕事にきく。読めば俄然やる気になる ビジネスキーパーソンwebインタビュー

恒信印刷株式会社
代表取締役
吉田和彦

●吉田和彦(よしだかずひこ)1963年生まれ、埼玉県出身。大学卒業後、画材メーカーに就職し、6年間新製品開発に従事。主に色材やインクの配合の研究開発を担当。その後、恒信印刷に入社、現在に至る。

第75回 後編

「社長の成功日記」に込めた思い

吉田社長にとって「成功」とは?
吉田社長のブログのタイトルは「社長の成功日記」という名前ですが、なぜこの名前をつけようと思われたのですか?

吉田社長:「成功日記」というと、すでに成功した人がその成功の秘訣を明かすブログ、という印象をもたれるかもしれません。しかし、ブログの説明文に「中小企業の経営は90%が社長で決まる。がんばれ社長!成功への道のり」と書いているとおり、このブログは成功に向けた道のりを記録したものなんです。私自身、まだ成功というゴールに向かう道の途上にいると思っています。ですので、このブログは将来成功するための日記なのです。

だからこそブログは毎日書いていますし、日記として日常の出来事も書いていますが、自分の勉強のためにも「いい考え方だな」と思ったことも紹介しています。

吉田社長にとって「成功」とは?

吉田社長:会社の売り上げを上げることも大切でしょう。しかし、それだけではなく、従業員やその家族が満足できる状況を作ることが何より大切だと思います。そしてそれを実現させることが、社長という会社の代表を務めるものの責任だと思います。

社長は、自分のやりたいことができますし、色んな意味で自由です。先に述べたように、私は前職で企業の研究室に所属していましたが、研究室ではすごくいいものができるのに、実際に商品化されるまでは非常に時間がかかり、面倒なことがたくさんありました。だから私は自分のオリジナルを作りたい、という思いで社長になったわけです。

一方、その「自由」には「責任」が伴います。「自由にしていいから、その代わりに責任は取らないといけない」ということです。

その社長の責任の非常に分かりやすい例をご紹介しましょう。私が社長になったとき、会社として設備投資のためにお金を借りていたんです。その後、私個人として、新車を買おうと思いマイカーローンを申し込んだら、断られたんです。ちゃんと仕事もしていて、定期的な収入もあるのに、です。たぶん、審査の際に会社としてお金を借りていたことが、ネックになったのではないでしょうか。つまり、この会社のようにそれほど大きくない会社では、会社=社長と見られ、それだけ思い責任を負う必要があるのです。

慢心しないことの大切さ
なるほど。それだけの覚悟が必要なわけですね。

吉田社長:もちろん、大変な面だけでなく楽しさ、やりがいもありますので、覚悟があれば、挑戦してみることは良いと思います。

そのとき、注意すべきことは、悪い影響というのはすぐに現れるが、良い影響はじわじわと現れるということです。信用も同じですね。何か悪いことをすれば、信用はすぐに失われますが、信用を築くには時間がかかるものです。

また、もし「上手くいっている」と思っても安心しないことです。自分は変わらなくても、周りが頑張っていると、結果として差をつけられることになります。慢心しない、ということが大切です。