明日の仕事にきく。読めば俄然やる気になる ビジネスキーパーソンwebインタビュー

恒信印刷株式会社
代表取締役
吉田和彦

●吉田和彦(よしだかずひこ)1963年生まれ、埼玉県出身。大学卒業後、画材メーカーに就職し、6年間新製品開発に従事。主に色材やインクの配合の研究開発を担当。その後、恒信印刷に入社、現在に至る。

第75回 前編

より良いサービスを提供することを第一に

「印刷の素人」にも優しいサービス
最初に会社概要をお聞かせください。

吉田社長:パンフレットや小冊子、会社案内などを扱う印刷業です。業務自体はオーソドックスですが、お客さんの層が特徴でしょうか。中小企業や個人の方が中心になっています。

そうした、いわば「印刷の素人」の方を対象としているが故の工夫などはありますか?

吉田社長:さまざまな形でのサポートが大切です。パソコンのソフトを使って、非常に高レベルの原稿を作られる方も少なくありませんが、一方で印刷についてではなくソフトの使い方を質問されることもあります。そもそも何を質問してよいのかも分からない、という方もいらっしゃいます。

また、「コストをかけてでも質を追求するのか」「質はそこそこでコストを抑えるのか」といったバランスをとりながらのサポートも必要になります。

実際、個人の方との仕事を面倒だと嫌がる業者も少なくありません。私たちの会社はそうではなく、できるだけ個人の方もサポートしていきたいと考えています。

仕事をする上で心がけていらっしゃることは何ですか?

吉田社長:まずは正直であること。そして、利益だけを優先せず、お客様にどのようなサービスを提供できるかを常に考えることです。

印刷の技術が進歩した結果、質ではなかなか差が出づらくなり、そこそこのものはできるようになりました。そうすると、ただ利益を優先しようとしていると価格競争、つまり値下げ合戦になってしまい、最終的には消耗してしまいます。ですので、先ほど述べたような個人の方へのサポートなど、お客様によいサービスを提供することを考えています。

特許出願中の「DNA印刷」
御社では特許出願中の技術をお持ちと伺いましたが。

吉田社長:はい、「DNA印刷」という技術です。インクにDNAを混ぜて印刷することで、印刷物に見た目だけでない付加価値をつけることができます。うちでは自費出版も扱っています。自費出版というのは、自叙伝をはじめ個人の非常に思い入れが深いものですので、そういったところに利用してもらえればと思っています。また、アイドルの写真集などにもよいのでは?と売り込み中です。

ユニークなアイデアですね。どのように思いつかれたのですか?

吉田社長:インターネットでいいボールペンはないかな、といろいろ探していたんですが、そのとき「リンカーンのDNA入りペン」というのを見つけました。「リンカーンのDNAが入ったインクで字を書ける…これは面白い!印刷にも使えそうだ」と思ったのがきっかけです。

実は、リンカーンのペンは、インクではなくペンの軸にDNAが吹き付けてあったのですが。そこからアイデアを得て、商品化しました。

自分の考え方で“先”は変わる
本業に加え、コイズミ元首相の目に留まったブログも注目を集めている吉田社長に、ブログを書く際に心がけていること、読者の方へのアドバイスなどを伺いました。