明日の仕事にきく。読めば俄然やる気になる ビジネスキーパーソンwebインタビュー

メディアベース
代表取締役社長
柳原春満

●柳原春満(やなぎはら はるみつ)1953年生まれ。大学卒業後、社員数約5,000名の物流会社のコンピューター部門に6年勤務後、社員数約50名のソフトハウスに転職。勤務していた会社の同僚ともに平成元年にメディアベースを立ち上げる。好きなことは「知識が増えること」。

第65回

10人いれば10通りの考え方
資質を伸ばせる企業を目指して!

他の人と同じことはしない。
メディアベースを立ち上げた理由と企業の理念を教えてください。

柳原社長:前にいた会社は社員数が多く、企画を1つ通すためにハンコが16個必要でした。場合にもよりますが、2、3個ですむのではと思うこともありました。単純にそれが合わなかったというのが立ち上げの理由です。転職の際にはすでに自分の会社を持つことを考えていました。理念というのも大げさですが、「企業に本当のSEを提供したい」というのは常に考えていますね。ユーザーや、メーカーを問わずソフトからハードまで最適なものを提供していきたいですね。例えば、サーバーはA社のもので、ソフトはB社のコレというように、よりパフォーマンスが上がるように提案します。製品も技術も常に新しくなるので、完全というのはないんですよ。それだけにやりがいもありますね。

立ち上げから現在までで一番苦しかったことはなんですか。

柳原社長:苦しかったのはバブルが崩壊した時ですね。なんせ仕事が急になくなりましたからね。人が動いているとあえて動かない私ですが、そのときはさすがに動きましたね。もちろん私が第一線で仕事を探しに行く事もありました。

当時他社は値下げに躍起になってましたが、私はあえて価格を上げて勝負に出ました。ただでさえ仕事が少ないときに「何故そんなことをするのか」と疑問に思うかもしれませんが、価格で競争するのではなく、質を向上することに力をいれました。今もその選択は間違っていなかったと思いますね。景気が悪いときこそビジネスの種をまく必要があると思います。

社員一人一人が経営者の視点を持つ企業を目指して。
今後会社をどのようにしていこうとお考えですか。

柳原社長:理想は私がいなくても平気な会社です。経営は打ち上げ花火ではないので、何世代も続く組織作りが重要だと考えています。夢を持つことは悪いことではないのですが、経営者の夢で従業員を路頭に迷わせては元も子もないですからね。ですから経営目標は「経営者がいなくなること」なんですよ。

経営者がいなくても平気な会社とありますが、そのために心がけていらっしゃることはありますか

柳原社長:大切なのは人材の育成ですね。優秀な人材を確保するには、他社から引っ張ってくることもできますが、それよりも自社で育てて行きたいですね。なぜなら、10人いれば、志向も資質も10通りあるんですよ。マネージメントをやりたい人、コンサルティングがやりたい人とかね。だったらそれをやってもらった方がいいじゃないですか。そこへの投資は惜しみませんよ。

人材などへの投資は惜しまないというお話ですが、どのようなことに取り組んでおられますか。

柳原社長:人材に関して言えば、一番は新卒の採用ですね。もちろん、コストもかかりますし、成長には時間もかかりますが、メディアベースの今後を担っていく大切な存在と位置付け、力を入れていますね。設備にも、投資しています。ここからはエンジニアのスキルアップをはかるために、自社内受託の案件にも積極的に取り組んでいきます。