代表取締役
●水野堅市(みずの・けんいち)株式会社ステップ代表取締役社長。1956年生まれ。東京のソフトウエア会社に勤務後、30歳のときに地元の横須賀に戻り、当時の自動車電話のシステムの発展が将来の成長分野であることをいち早く認識し、1986年10月に株式会社ステップを設立する。
最大の武器は独自の技術力
- 会社を立ち上げたきっかけはどんなことだったのでしょうか?
水野社長:当時(20年前)は今の携帯電話がまだなく、自動車電話だったのですが、そこに興味を持ったんです。やがて情報通信の時代がくるんじゃないかと。ちょうどバブルの少し前でした。その頃のソフト会社は派遣が主流だったんですが、受託でその自動車電話のシステム開発をやろうと思ったことが会社を立ち上げたきっかけです。
- どんな会社にしていこうと思っていたのですか?
水野社長:「品質のいい仕事を続けていくこと」。これが設立時の会社のポリシーで、今も変わっていません。また、このことを守り続けてきたことが、お客様から信頼を掴み、実績を築いてこれたと思っています。それと、エンジニアたちが、安心して開発に打ち込める環境を提供したかった。納期などに追われていてはいい仕事はできませんので。おかげさまで社員の定着率が高いのも当社の特徴です。新しい社屋(自社ビル)を建てたのも社員のことを考えたうえでのことです。
- 今後の事業展開は?
水野社長:大手キャリアや大手メーカーから直取引をいただけるなど、会社の名はそこそこ浸透していると思いますが、技術力の変化が激しい業界の中で、これからもっと飛躍するためにはいい人材の採用がキーワードであり課題です。携帯電話を市場に出せば売れる時代は終わりました。これからは、市場で求められている製品を提案していくことが重要だと思っています。
- 人材に関してはどうお考えですか?
水野社長:若い人の感性やアイデアは必要です。当社では、7年くらい前から新卒採用を始めましたが、人材を会社でしっかり育てていくことも私たちの役目。最初に採用した新卒社員も、今では一人前の技術者に育っています。中途での経験者採用では、新たな感性に期待しています。
- どんな人物が理想ですか?
水野社長:当社では1人きりで開発を行うことはなく、プロジェクトチームでの活動が主です。ですから、チームワークを重視して技術的なハードルを一緒にクリアーしていけるような人が理想ですね。ヒューマンな部分でも成長していってほしいと思います。みんなで協力しあい、力を出し合って完成した製品が市場に出たときの達成感をぜひ、味わってほしいですね。
- 人材採用で実現させたいことは?
水野社長:今は、増加する案件に着手できていません。人材が採用できればそういった案件にも取り組めます。これまで携帯のプラットホームに特化してきた当社ですが、今まで、できなかった携帯の機能を組み合わせたソリューションを実現させたいですね。これまで、蓄積してきた当社の技術力をフルに発揮し、事業の幅を広げるビジネス展開をしていきたいです。
- 若いビジネスパーソンへのアドバイスは?
水野社長:今の若い人にはもっと情熱的になってほしいです。「プログラムを作ることが面白いから」だけじゃなく、例えば3年後の自分はこんな技術者になっていたい、とか目標をもってほしい。また、チャンスと思ったらぜひ、チャレンジすることですね。
- 人材の採用や育成について熱く語ってくださった水野社長。そのインタビューから技術には人材の裏づけが必要なこと、“人”の大切さが伝わってきた。