●渡邉哲男(わたなべてつお)比較.com株式会社代表取締役社長。 1971年生まれ。福島県出身。慶応義塾大学卒業。2003年8月に資本金250万円で比較.com株式会社を設立。2006年3月15日、設立から2年と7ヶ月で最低資本金規制特例制度を利用して東証マザーズに初上場。中立な立場から情報の交通整理役をおこない、消費者の生活・社会に貢献をしていく。
情報の氾濫から大量のニーズ、
道標は「比較.com」サイト
- 起業したきっかけを教えてください。
渡邉社長:簡単にいうとベンチャー企業の社長の影響ですね。新卒でベンチャーキャピタルに入社し、ファンドの何億という大金を国内のベンチャーに投資していたんですね。しかし時々、投資先企業の無駄遣いに気付いて私ならもっと…と思ったんですよ。それにこのままでは自分が成長しない気がして、自分で何かしなければいけないと行動するようになりましたね。そして何年か経ち、最低資本金の緩和をきっかけに、起業しようと決心しましたね。
- なぜ、比較サービスでビジネスを思いついたのですか。
渡邉社長:それはですね、私が海外旅行好きで、旅日記みたいなサイトを運営していたんですね。確か26歳の9月、アメリカのアラスカ州に旅行する際に、航空会社のマイレージサービスを比較したことが始まりで、それをビジネスにしていこうと思い付いたんですね。それから人が生活していく中で、あれば便利ではないのかというもの、例えば、引っ越しや保険の比較サービスを最初はしていきましたね。今は旅行、金融、引越、自動車、学びという分野で50カテゴリーあり、今後300カテゴリーに増やしていきます。
- 今後、インターネット業界の動向はどう予想されていますか。
渡邉社長:今までは個人サイトとかを作れば、アクセスされるって時代だったと思うんですよ。現在はアクセスするにもお金が掛かるという時代で、どんどんハードルや壁が高くなっていると思うんですよね。そして、ネット企業は大量の社員を抱えて、2、3年後ぐらいには大合併の時代が始まると予想してます。しかし、そういうサプライズがあるからこそ、それに対抗して洗練された新しいサービスが生まれるんだと思いますよ。
- もし、本当に予想が現実になりましたら御社はどういうしていくのか教えてください。
渡邉社長:弊社のスタンスとして、比較サイトのカテゴリーを増やす際には、営業部や開発部も関係なく、チーム分けをしましてコンペをやります。みんなでアイデアを出し合い、良いものを商品にするんですね。だから、全社一丸となり新しい商品や仕組みで他社に対抗していきますね。私たちの会社には、営業部だから開発に関して意見をいうことができないとか、エンジニアだから企画に口を挟めないとかはないですね。このことは比較.comの魅力ですね。もし、開発だけじゃなく企画提案もしたいエンジニアがいれば一緒に当社で比較サイトを育てていってほしいですね。
- 創業から急速にサービス規模を拡大、約3年で上場を達成した渡邉社長。今後のインターネット業界に対しても鋭い展望を持っており、それを基にし、ユーザーの利便性なども鑑みたサービスの展開に期待したい。