明日の仕事にきく。読めば俄然やる気になる ビジネスキーパーソンwebインタビュー

株式会社mediba
代表取締役社長
塚田俊文

●塚田俊文(つかだとしふみ)1961年生まれ、埼玉県出身。大学卒業後、第二電電株式会社(現KDDI株式会社)入社。コンテンツ・メディア本部ポータルビジネス部長などを務めた後、07年6月、株式会社mediba(メディーバ)の代表取締役社長に就任。

第36回 後編

いつも「明るく、楽しく」を心がけて

クリエイティブ・マインドの大切さ
企業のトップとして、社員の方にはどのようなことを求められていますか?

塚田社長:クリエイティブ・マインドを持ってもらいたいです。クリエイティブといっても色々あります。企画するだけがクリエイティブではありません。要は自分のやっている仕事とその周辺で、「こうすればもっとよくなるのでは」、「こんなことやってみたいな」といった常に前向きな考えを持っていることです。やはり、人に言われてやるというのでは後手に回って、自分のペースがつかめません。「お客様はどういうことを考えているのか」と、先回りしてこそ仕事が面白くなります。

採用に立ち会われることもあると思いますが、どこを見ていますか?

塚田社長:明るいかどうか、人と話ができるかどうか、ですかね。社員が急速に増えているというのもあり、社内で明るくコミュニケーションが取ることができるというのは大切なことです。

あとは、自分で課題を見つけて、具体的にどう対応してきたのかということをよく聞きます。みんな色々な苦労をしてきています。それをどんなプロセスで解決してきたのか、という点ですね。自ら問題を見つけ、解決することを普段から心がける人をぜひ採用したいと思います。

大胆さと緻密さのバランスが大切
では、ご自身が企業のトップとして心がけていることは?

塚田社長: 「明るく、楽しく」はもちろんですが、「発想は大胆に、行動・計画は緻密に」というのを心がけています。

長い間働いていると、「できなさそうだ」ということがだんだんと分かってきますよね?そうすると発想が小さくなってきます。そこで止まってしまうと何も生まれません。ですから「こんなことできないだろう」とは考えないようにしています。

ただ、それが行き当たりばったりではただの思いつきです。ビジネスとして成り立たせるためにはどうしたらいいのかという部分はきっちりと。そして仮にうまくいかなかったら、どこがダメだったのかを検証するようにしています。このように大胆さと緻密さのバランスを大切にしたいです。

なるほど。普通に働く中でも、日常業務をこなすだけでなく、大胆な発想が求められる場面が増えてきましたよね。

塚田社長:はい。ただ発想はもちろん大切なのですが、会社で働くのであれば、コミュニケーション能力、プレゼンテーション能力も大切です。

思いついても、それを上手く説明できなかったら、誰も評価してくれないし、協力もしてくれません。お客様の前での営業活動でも同じです。

人前で話すということは、そうした能力を鍛えるためのいいチャンスだと思いますので、積極的に人前に出るべきだと思います。

それにしても、最近の若い人は人前で話すのが上手いですよね(笑)。堂々としていて、笑わせるところではちゃんと笑わす。もし、苦手意識をお持ちだったら、がんばっていただきたいですね。

せっかくいいアイデアを思いついても、それが伝わらないと形にはできませんからね。

塚田社長:そうですね。会社の中でもそうですし、起業の場合も同じです。いくらいいアイデアがあっても、資金繰りのためにはそれを理解してもらう必要があります。

ユーザー目線のサービスを生み出すためには?
最後に読者にメッセージをお願いします。

塚田社長:携帯電話が大好きな方はぜひ、うちにいらっしゃってください。ただ、「好き」というのは、仕事と趣味が一緒ということではありません。趣味で仕事をするべきではないですから。しかし一方で、本気で好きでなく、単なる金儲けだと思っていては仕事は上手くいかないと思います。

うちの場合ですと、自分も携帯電話が好きで、こう使いたいなとかこうすれば便利になるのにと本気で考えられる人でないと、ユーザー目線のサービスは生み出せないと思います。

それから「明るく、楽しく」をいつも心がけてほしいですね。それが全ての基本になると思います。

編集を終えて
「明るく、楽しく」をモットーにしている塚田社長。オフィスもその言葉にたがわず明るく、社員間の風通しもよさそうな雰囲気だった。こうした雰囲気のオフィスから、次にどのような新しいサービスが生み出されるのか、楽しみにしたい。