明日の仕事にきく。読めば俄然やる気になる ビジネスキーパーソンwebインタビュー

株式会社mediba
代表取締役社長
塚田俊文

●塚田俊文(つかだとしふみ)1961年生まれ、埼玉県出身。大学卒業後、第二電電株式会社(現KDDI株式会社)入社。コンテンツ・メディア本部ポータルビジネス部長などを務めた後、07年6月、株式会社mediba(メディーバ)の代表取締役社長に就任。

第36回 前編

多様な個人に最適なサービスを提供

ユーザーさんが楽しめるポータルサイトを作りたい
最初に会社概要、社長になられた経緯をお聞かせください。

塚田社長:2000年10月に、KDDIが中心になって出資し、モバイルインターネットでの広告を取り扱うメディアレップとして設立されました。

私は20年ほど前に第二電電株式会社(DDI)に入社し、合併してKDDIになる間、国内・国際電話のサービスやインターネット、法人向けモバイルソリューションなどの通信事業を担当していました。その後、3年ほど前に初めて直接の通信事業から離れ、コンテンツ・メディア本部ポータルビジネス部長として、KDDIの立場でmedibaのメンバーと一緒に仕事をしていました。そして、medibaで何か新しいことをやろうというタイミングで、KDDIから移り、今年6月に社長に就任しました。

最初にDDIに入ろうと思われたのはなぜですか?

塚田社長:私は理系だったのですが、特にその点にこだわりはなく、どちらかといえば人と交渉をする仕事に就きたいと思っていました。

それで分野は限定せず就職活動をしていたのですが、ちょうどそのころDDIが「日本の電話を安くする」というキャッチフレーズを掲げていて、そこにひかれてDDIを選びました。

広告からポータル事業へと事業内容が拡大した背景は?

塚田社長:会社設立のころはまだまだモバイルインターネット立ち上がりの時期でしたが、その後、広告事業は順調に拡大しました。そこで、次の段階としてコンテンツを集めてユーザーのみなさまがたくさん訪れて楽しんでもらえるポータルサイトを作ろうということになりました。

KDDIはあくまで通信会社ですので、コンテンツやポータルは通信にとらわれない考えを導入するため別会社で実施していこうということで、その部分をmedibaが担当しています。

携帯電話は人となりを表す
今、一番力を入れてらっしゃることは何ですか?

塚田社長:目前のものとしては、7月末に発表したau携帯電話とPCが一体化したポータルサイト「au one」の制作です。9月末のリリースに向け、ラストスパートの最中です。

もう少し長いスパンでいうと、medibaは広告事業から始まり、メディア・ポータル事業を手がけてきました。今まさにその次の展開を考えているところです。何かビックリするような、新しくて世の中を先取りしたものを考えたいと思っています。

先ほどもお話しましたが、KDDIは通信会社ですので、携帯電話を売って、どれだけ電話をかけてもらえるか、パケットを使ってもらえるかというプラットフォーム部分を担当しています。私たちはそことは一線を画して、ユーザーのみなさまにもう少し近いところで何ができるかを考えています。

今後の通信やインターネット業界の展望をどのようにお考えですか?

塚田社長:パソコンのインターネットから始まって、その次にモバイルのインターネットが広がりました。ですので、モバイルはパソコンを追いかけている部分があります。しかし、その発展のスピードはものすごく早く、今ではインターネットの人口は携帯からのアクセスのほうが多くなっています。

ですので、モバイルから新しいサービスが誕生する逆転のタイミングが来ると思います。そうした状況の中、「携帯から考えるPCサイト」ということで、「au one」を作ろうとしているわけです。

携帯電話が生活に占める割合もどんどん大きくなっていますしね。

塚田社長:携帯電話というのは肌身離さず持っているものです。また、パソコンなら家族で共有することもありますが、携帯は1人1台持っています。そして、携帯を見れば友達も分かるし、どういうサイトを見ているのかも分かる、人となりを表すものだと思います。それに対するビジネスであれば、パソコンとは違うモデルが求められるでしょう。

ですので、medibaとしても今はちょうど、パソコンの後追いではない新しい取り組みが求められているタイミングです。

ちょうど新しいことが求められるタイミングで社長に就任されたわけですね。

塚田社長:そうですね。やりがいを感じています。同時にプレッシャーもありますが(笑)。

携帯を開けば必要な情報が見つかる
KDDI、auといえば若いユーザーが多いというイメージがありますが、若い層に向けて気をつけてらっしゃることはありますか?

塚田社長:若い人だけでなく、もっと層を広げたいと思っています。それに若い人といっても、音楽であれば洋楽が好きな人もいれば邦楽が好きな人もいます。そうした多様な個人個人に対して、最適なサービスを提供することが一番だと思います。何か情報を知りたいなと思って携帯電話を開いたら、すぐにその情報を得られる、といったことです。それは、若い人向けに、ではなく、私のような40代のユーザーのみなさまに対しても同じことです。

それを全てmedibaでできるとは思っていませんので、他の会社とも協力しつつ実現したいと思います。

いつも「明るく、楽しく」を心がけて
次々と新しいサービスを生み出すmedibaの塚田社長に、 社員に求められることやご自身のモットーをお伺いしました