明日の仕事にきく。読めば俄然やる気になる ビジネスキーパーソンwebインタビュー

クリスピー・クリーム・ドーナツ・ジャパン
社長
香坂伸治

●香坂伸治(こうさか・しんじ)1961年、福岡県北九州市出身。駒澤大学卒業後、日本マクドナルド株式会社入社。99年に米国駐在員として、日本所有店舗の統括を担当した後、米マクドナルドに異動。06年に退職し、クリスピー・クリーム・ドーナツ・ジャパンの代表取締役に就任。
クリスピー・クリーム・ドーナツ・ジャパンwebサイト http://www.krispykreme.jp/

第26回 前編

自分で責任をとる仕事がしたい

1号店オープン、初日は250人の行列
最初に会社概要をお聞かせください

香坂社長: クリスピー・クリーム・ドーナツはアメリカをはじめ、海外ではおなじみのドーナツ・ショップです。しかし、日本には上陸していませんでした。そこで06年6月、ロッテと企業の経営支援などを行うリヴァンプがアメリカ本社とフランチャイズ契約をし、共同出資でKKDJを立ち上げました。12月には新宿に1号店がオープンし、本当に多くのお客様に訪れていただいています。

海外ではおなじみとはいえ、日本にはなかったので知名度などの点で開店当初は苦労されたのではないですか?

香坂社長: 出張や旅行で海外に行かれて、現地で食べられた方も多いと思います。しかし、日本初上陸ですので、オープン前のプロモーションには力を入れました。例えば、オープンに先立ち、1週間ほど街頭やオフィスでドーナツを配りました。また、お店の前にはカウントダウンの看板も設置しましたので、みなさんの期待感が高まったのでしょう。初日オープン前には、約250人の方が並んでくださいました。

KKDJの社長になるのは運命だった?
社長に就任された経緯をお教えください。

香坂社長: 私自身、クリスピー・クリームのドーナツに感動したことがありました。確か01年のことだと思います。当時、私はアメリカに住んでいて、近所に初めてクリスピー・クリームのお店ができました。開店当初は行列ができていて買わなかったのですが、3ヶ月目に初めて食べたんです。それが本当に美味しかった!その時から、「なぜ日本にないのだろう。日本でも絶対成功する」と思っていました。

それと、当時、米国で現リヴァンプ代表の澤田と出会う機会があり、ビジネスの本質について話をさせて頂いた事です。心底共感を覚えました。そして、日本に帰国した後、KKDJ設立のお話を伺い、お引き受けすることになりました。そうした出会いも含めて、運命だったと思います。

元々、会社のトップになりたいという思いはお持ちでしたか?

香坂社長: 前職はファーストフードチェーンの会社で、店長を経験したことがありました。店長というのはその店の経営者です。そのときから、機会があれば、もっと大きな視点でマネージメントしてみたいという思いはありました。自分で責任を取る仕事がしたかったんですね。

待っている間も飽きない「ドーナツシアター」
ほかのドーナツチェーンとの一番の違いはどこでしょう?

香坂社長: 食感ですね。ドーナツというより全く新しいフードといえるかもしれません。食べていただければ分かるのですが、本当にふわっとやわらかく、今までにない食感です。

加えて、私たちは「ドーナツシアター」と呼んでいますが、ドーナツの製造過程が店内で見ることができるのも特徴です。

お客様の反応はどうでしたか?

香坂社長: 「わぁー美味しい!」というお声をたくさん聞きました。これまでのドーナツとは全く違う食感ですので、驚きもあったのでしょうね。

お店を運営する上で、どういったことにこだわられていますか?

香坂社長: もちろん、一番はドーナツですが、実はコーヒーはドーナツとの相性を考えるなど、飲み物にもこだわっています。それから店内も、お客様にとって快適な空間になるよう、色々と工夫しています。

全ての基本はお店
社長ご自身はお店にはよくこられるのですか?

香坂社長: 毎日来てます。アトランダムにドーナツを購入して、味を確かめています。全ての基本はお店です。お店という現場に来ることが、お客様の視点に立った経営のためには不可欠なことだと思います。

1号店がオープンしてからの約1ヶ月はどうでしたか?

香坂社長: あっという間でした。まずは1号店をお客様が継続的に来ていただけるお店にして、その後、関東圏に拡大させ、クリスピー・クリーム・ドーナツのコンセプトを正しく浸透させたいですね。

平日にもかかわらず、店の外にまで行列ができる大盛況
アメリカで学んだ家族の大切さ
前職での米国駐在中に家族の大切さを学んだという香坂社長に、仕事とプライベートのバランスのとり方を伺いました。また、明確な目標をもてない人へのアドバイスもいただきました。