明日の仕事にきく。読めば俄然やる気になる ビジネスキーパーソンwebインタビュー

株式会社ネクスト
代表取締役社長
井上高志

●井上高志(いのうえたかし)1968年生まれ。横浜市出身。1991年青山学院大学卒業後、リクルートコスモス入社。その後リクルートを経て、1995年にネクストホームを創業し、1997年に株式会社ネクスト設立、代表取締役に就任。日本最大の不動産情報ポータルサイト『HOME'S』などを運営している。
(株)ネクストWebサイト http://www.next-group.jp/
日本最大の不動産情報ポータルサイト『HOME'S』 http://www.homes.co.jp/

第20回 後編

仕事を楽しめるかどうかは自分次第

ゴルフは「自分が楽しければいい」
毎日お忙しいと思いますが、お休みは取れていますか?

井上社長: ええ何とか。先月も休みを取って西表島に行こうと思っていたのですが、あいにくの台風で…。いけることはいけるのですが、もしかしたら予定通り東京に戻ってこれないかもしれない、ということで急遽、前日になってキャンセルしました。その代わりに約半年ぶりにゴルフにいくことができました。

ゴルフは結構されるのですか?

井上社長: 年に2、3回ですね。あまりうまくはないですが、「自分が楽しければそれでいい」と割り切って楽しんでます。特に今回行ったのは会員数を限定しているクラブなので、後ろの組に脅かされることもなく、余裕を持って回ることが出来ました(笑)。

躊躇せずにまずはやってみること
最近は大学での講演などもされているそうですね。

井上社長: はい、6月には明治学院大学で講演をさせていただきました。2年生を中心とした学生さんを対象にした講義で、「企業の求める人材像」をテーマに、私以外にも2名の経営者が参加していました。

学生の印象はどうでしたか?

井上社長: 講演が終わった後も壇上に集まって質問をしてくるなど、とても積極的でした。その反面、見聞きできる範囲が限られているせいか、世界観が小さいなとも感じました。見識を広げるためにも、学生のうちからいろいろと外の世界をみてもらいたいですね。

それと、採用を念頭に置いた説明会ではなく、講演会という場だったからでしょうか。非常に率直な意見を聞くことが出来ました。中には「好きなものを食べて、寝たいときに寝て、遊びたいときに遊ぶ、そんな暮らしをするにはどうしたらいいですか?」なんて質問もありました(笑)。

そんな学生にどのようなアドバイスをされたのですか?

井上社長: 何でもいいので「これはやり遂げた!」と胸を張れるものを1つでも作ったほうがいいとアドバイスしました。私自身、学生時代にはそういうものはなく、惰性で生きてきたように思います。だからこそ、今の学生には何かに打ち込み、一生懸命取り組んでもらいたいと思います。

「何かに一生懸命、打ち込む」というのは学生に限ったことではないかもしれませんね。

井上社長: そうですね。ビジネスの世界でも、一生懸命になって打ち込むことは大切だと思います。いろいろと迷い、悩んでいる方も多いと思いますが、踏ん切りをつけて一歩前進してみると、案外答えが簡単に見つかることもあるんです。躊躇するよりもまずはやってみることです。

「仕事=お金をもうけること」では寂しい
最後に読者にアドバイスをお願いします。
『HOME'S』はモバイルサービスも開始。携帯電話から問い合わせなどもできる。

井上社長: 経営学の第一人者といわれるP.F.ドラッカーの著書に「仕事とは人格の延長である」という言葉がよく出てきます。皆さんにもこの言葉を肝に銘じてもらえればと思います。

具体的にはどういうことですか?

井上社長: 人格とは、つまり生き方のこと。仕事にしろ、生き方にしろ、これからどうしなければいけないのか、深く考える必要があります。

私は常々、「仕事=お金をもうけること」では寂しいな、と思っています。「お金のためだから」と、辛い仕事を我慢しながらやっていては、もったいない。仕事を有意義なものにするのも、辛く嫌なものにするのも自分次第です。もし、今の仕事が辛いのなら、辛いと思う原因を1つ1つ取り除くよう、努力してきましょう。そのうち、楽しいと思えるようになるはずです。

編集を終えて
好きな歴史上の人物は坂本竜馬だという井上社長。特に既成概念にとらわれないところにひかれているという。お話を伺うと、ネクストという会社もやはり既成概念にとらわれず、新しいことにどんどん挑戦していったからこそ、現在のように大きく成長したのだと感じられた。これからも、我々一般の人間が便利になるサービスを提供し続けてくれるはずと期待したい。