明日の仕事にきく。読めば俄然やる気になる ビジネスキーパーソンwebインタビュー

株式会社カフェグローブ・ドット・コム
代表取締役
矢野貴久子

●矢野貴久子(やのきくこ) 1962年東京都出身。85年日経BP社に入社し、編集の道に。86年、フリー編集者・ライターとして独立。『Oggi』や『Domani』などの女性誌を中心に、多くの雑誌で活躍。99年、TBSブリタニカ(現阪急コミュニケーションズ)に入社し、『FIGARO japon』に携わる。同年11月、(株)カフェグローブ・ドット・コムを設立し、代表取締役に就任。
ネットメディア『カフェグローブ・ドット・コム』 http://www.cafeglobe.com/

第11回 前編

働く女性を応援したい

カフェグローブという名前に秘められた想い
最初に御社の事業内容を教えてください。

矢野社長: カフェグローブ・ドット・コムは、女性向けのWebサイト『Cafeglobe.com』や、働く女性のためのショッピングサイト『SELECTCafe』を運営するネットメディアカンパニーです。これらのサイトを中心に、メディア事業、コンテンツプロデュース事業、コマース事業を展開しています。

社名の由来を教えてください。

矢野社長: あるコスメブランドなどのネーミングから、「雰囲気の違う英単語を組み合わせた名前は印象的でいいな」と思ったんです。そこで私たちも壁に紙を貼って、そこに思いつく限りの単語を書き込み、いろいろ組み合わせてみることに。最終的に決まったのが、みんなでわいわい楽しむイメージがある「カフェ」という単語と、インターネットの特性や、世界中の女性たちの気持ちがつながったら、という意味をこめた「グローブ(地球)」という単語の組み合わせでした。

『Cafeglobe.com』という名前には相当な思い入れがあるそうですね。

矢野社長: そうですね。実は『Cafeglobe.com』のドメインを取得するのも一苦労だったんです。このドメインはイギリスの方が既に取得していたのですが、交渉の途中でその方と連絡がつかなくなって…。イギリス在住の知人を総動員して探してもらい、なんとか事なきを得ましたが、そんなバタバタがサイトオープンの直前まで続き、冷や汗をかかされました(笑)。

知的好奇心の強い女性に情報を発信
サイトを立ち上げようと思ったきっかけは?

知的好奇心旺盛な女性のためのネットメディア 『Cafeglobe.com』 http://www.cafeglobe.com/ 矢野社長: 私はもともと女性誌の編集をやっていました。海外で働く女性を取材していたとき、何度も聞いたのが、日本の情報をもっと知りたいということでした。また、日本では、女性同士で政治や経済の話をすることが当時は珍しかったのですが、海外に出た女性たちはそれをファッションや恋愛と同じレベルで語り合っている。日本の女性誌も、そんな視点が持てたらいいのにと思い、知的好奇心の強い働く女性たちに役立つメディアを立ち上げようと、1999年に会社を設立しました。

メディアを作るためには、創業という選択肢がベストだった?

矢野社長: 働きながら趣味でメディアを作るという選択肢もあったと思います。ただ、やるならずっと続けたかったし、続けるためには、きちんと収益を上げられるビジネスモデルが必要。そうなると、会社を立ち上げて取り組むことがもっとも自然な成り行きでした。

創業時に大変だったことは?

矢野社長: もっとも苦労したのは、経営の経験やシステムの知識がなかったこと。たとえばパートナー会社から「こんなシステムがよい」と提案していただいても、知識がないから判断ができない。きちんと自分なりに納得して決断したかったので、必死になって人に聞いたり、本やネットを見て勉強する毎日でした。

社長ブログも好評!
今後の展開を教えてください

矢野社長: インターネットは、テレビ、ラジオ、新聞、雑誌に続く第5のメディアであり、さまざまな可能性を秘めていると思います。とはいえ、情報発信を何でするかは、受け手の環境やニーズによって変化させなくてはなりません。今後はインターネットだけでなく、他の媒体と相乗効果を生む形でコンテンツを提供していくことも視野に入れています。

ブログサービスを新しく展開されているそうですね。

矢野社長: はい、今年4月にブログサイト『カフェブロ』をオープンしました。ブログサービスとしては後発になりますが、フォトグラファー・イラストレーターなどアーティストによるこだわりスキンの提供や、個性光る良質なブログを発掘していくコンテスト、『Cafeglobe.com』とのコンテンツ連動企画など、ブログの枠を超えた弊社らしい企画を実施していく予定です。

矢野さんご自身も『カフェブロ』でブログを書かれているとか。

矢野社長: そうなんです。もともと編集やライターの仕事をしていたので、書くこと自体は嫌いではないのですが、つい肩に力が入ってしまって…(笑)。これからはもう少し気楽に書いていきたいですね。

やらずに後悔するより、挑戦したい
後編では、矢野氏の子ども時代やプライベートに迫ります。また、新しいことに挑戦しようとする方へのメッセージもいただきました。