明日の仕事にきく。読めば俄然やる気になる ビジネスキーパーソンwebインタビュー

株式会社アドマックス
代表取締役社長
岡野秀明

●岡野秀明(おかのひであき)1960年大阪府出身。大学卒業後、中堅広告代理店に12年在職。その後、96年、有限会社アドマックス入社 。04年、株式会社アドマックスに改組し代表取締役就任、現在に至る。ライフワークのメールマガジン配信で06年『まぐまぐブックスアワード』佳作賞受賞。
株式会社アドマックスHP⇒ http://www.ad-max.jp/

第77回 後編

筋の通った「善い生き方」をしよう

感謝を忘れない謙虚な姿勢を大切に
岡野社長が企業のトップとして心がけていらっしゃることは何ですか?

岡野社長:感謝の気持ちですね。以前、取引のあった企業の経営が傾き、支払いが滞ったことがありました。そのとき「申し訳ない。今すぐは払えないが分割で払わせてくれ」とおっしゃる方がいらしたのです。私はそのとき、その方に学ぶチャンスを与えてもらったと感謝しています。そういった自分が直面した逆境にも感謝できる姿勢を心がけたいと思っています。

社員の方にはどういったことを求めていらっしゃいますか?

岡野社長:いつも、101%以上の仕事をしよう、と言っています。身近な例で言えば、制作物を納品するとき、CD−ROMをそのまま渡すのではなく、相手がそのまま発送するならきちんと梱包するなど。これは本当に些細なことですが、そういう相手に気を配るプラスアルファを1%でも加えてほしい。しかもそれを「やってやった」ではなく、自然とできるようになってほしいですね。

なるほど。しかし簡単なことではないですよね。

岡野社長:訓練だと思います。訓練とは厳しく響きますが要は継続です。継続して心がけていれば、そのうち自然にできるようになると思います。これが人として認められる人間力を磨くことではないでしょうか。

メルマガを書き続ける理由とは?
岡野社長といえば、電車やスーパーの中の人間模様を綴ったメールマガジン『タコ社長のにんげん観察日記』も好評ですが、メルマガを書こうと思われたきっかけは何だったのですか?

岡野社長:広告に携わり、コピーライティングの仕事をするようになって、文章を書くことにもっとのめりこもうと思ったのです。それでまずブログを始めて、ちょうど代表に就任したころに知人の勧めもありメルマガを始めました。

私は大阪出身でお笑いが好きだったということもあり、また笑いが健康につながるという話も耳にしていたので、じゃあ笑える内容にしようということにしました。読者の方が笑って健康になってくれれば、読者の方もうれしいし僕もうれしい。ここでも win-win の関係です。

とはいえ、途中でやめてしまおうと思ったこともあります。

それでもやめなかったのは?

岡野社長:実は耳の不自由な方から、「自分の代わりに電車の中の様子を聞いてもらっているようで、毎号楽しみにしています」と感想をいただいたのです。こんなものでも誰かの役に立てているのだと実感し、「これはやめられない、ずっと続けていこう」と思いました。

最後に読者の方にメッセージをお願いします。

岡野社長:「善く生きる」ことを心がけるとよいと思います。そのためにも、時々、「俺は何のために生きているのか」と考える機会をわざわざ作る。そうすると、自分の今の生き方が筋の通った善い生き方かどうか見えてくるはずです。

何もしなくても楽しく生きられるユートピアなんてどこにもありません。例えば「今よりはましだろう」と職を転々としていても、そんなユートピアにはたどり着けません。「“まし”ではなくこれが“いい”」と思える、筋の通った選択をしてほしいと思います。