明日の仕事にきく。読めば俄然やる気になる ビジネスキーパーソンwebインタビュー

株式会社アイル
代表取締役社長
岩本哲夫

●岩本哲夫(いわもと・てつお)1955年大阪府出身。大学卒業後、大塚商会に入社。同社で販売管理システムの営業となり、トップセールスとなる。90年同社を退社し、翌91年に株式会社アイルを設立。事業展開のみならず、社員教育に力を入れ、独自の企業文化を築き上げる。「企業文化作り」や「営業戦略」「企業の組織力強化」についての講演実績多数。

第72回 前編

5人でマンションの一室からのスタート

本当の意味でのワンストップのサービスを提供
最初に会社概要をお聞かせください。

岩本社長:システムインテグレーター(SI)事業、求人求職サイト「派遣@ばる」、「バイト@ばる」の運営、ウェブコンサルティングなどを手がけています。特徴としては、それらのサービスを組み合わせることで、ウェブとリアルの両方をつなぐ「オール・ワンストップ」のサービスを提供していることです。この戦略を自社では「CROSS-OVER マネージメント」と呼んでいます。

「オール・ワンストップ」のサービスとは、具体的にはどのようなことなのでしょうか。

岩本社長:例えば、食品関連の企業でいうと、ホームページの制作やシステムの構築から、実際に仕事を行う“人”の教育まで、全てを手がけるということです。

今までも、ホームページの制作やシステムの構築を請け負う会社、人材を紹介し教育する会社などはありました。しかし、それらは別々の会社であることが一般的です。しかし、いくら素晴らしいページやシステムを作っても、それを使うのは人です。ですので、いい人材を確保したり、教育することが非常に大切です。私たちはその一連の作業を一手に引き受け、お客様に本当の意味で満足いただけるサービスを提供しています。

なぜそうした事業を手がけようと考えられたのですか?

岩本社長:アイルは91年に5人のメンバーでワンルームの部屋からスタートしたのですが、最初はコンピューターを初めとした物販、ディーラー業が中心でした。

そこで中小企業の経営者の方と多くお会いしたのですが、コンピューターはあるけど、使いこなせていない、中にはほこりをかぶったまま会社の奥に放置されている、というケースもありました。コンピューターに詳しいわけではないけど、必要そうだから購入した。でも、購入後にアフターケアがなく、うまく使いこなせず、そのままになっている訳です。

そこで、「中小企業の経営者の方の力になりたい。そして、そこにはきっとビジネスチャンスがあるはずだ」と考えて、中小企業向けに、コンピューターの販売だけでなく、アフターケアやサポートなどコンピューターにまつわる全てのことを1社で請け負うサービスを始めようと考えたのです。

「いつまでも一緒に働きたい」そんな信頼関係を作るには?
昔から起業しよう、社長になろうと考えていらっしゃったのですか?

岩本社長:実家が商売をやっていたので、もともと「宮仕えよりも自分で」という気持ちはありました。しかし、大学卒業後はサラリーマンとして就職しました。やりがいのある仕事でしたし、一生懸命がんばり、そこで営業としてトップクラスの成績を収めることができました。

それでも独立しようと思われたのはなぜですか?

岩本社長:1つは当時のお客さんに「君は独立する。独立したほうがいい」と言われたこと。もう1つは、「今の仲間とずっと一緒に仕事をしていたい」と思ったことです。

子供のころの「夏休みの雰囲気」って覚えていらっしゃいますか?とにかく友達と一緒にいて、いろいろなことをするのが楽しい。当時の仲間との間には、そういう雰囲気がありました。私もずっと一緒に働きたいと思いましたし、仲間もそう思ってくれていました。会社勤めだと、転勤や転属があります。それなら一緒に独立して会社を作ろう、そう考えての起業です。

会社の仲間とそれだけの関係を築き、信頼し、信頼されるというのは簡単な事ではないですよね?

岩本社長:裏表なく、正直な気持ちで接する。それが大切なのではないでしょうか。私は仲間だけでなく、お客様にもそういう風に接するようにしています。「お客様は神様」ではなく50/50の関係、本当の意味でのウィン・ウィンの関係です。その結果、信頼が生まれます。

社会人に求められる「素直さ」の価値とは?
企業ポリシーに「FREE, LOVE & DREAM」を掲げている岩本社長に、その真意や読者へのアドバイスなどを伺いました。