明日の仕事にきく。読めば俄然やる気になる ビジネスキーパーソンwebインタビュー

株式会社フォービス
代表取締役
家永慎太郎

●家永 慎太郎(いえなが・しんたろう)株式会社フォービス代表取締役。兵庫県姫路市出身。大学在学中にNTT武蔵野通信網総合研究所に出向。そこで様々なシステム開発の経験を経て、1995年1月 株式会社ランディを設立する。その後、2000年に社名を株式会社フォービスに変更し、2001年には「FORBiS DYMAMIC SERVER」をリリース。現在はECに特化したSI事業を展開中。

第66回

100年、200年存続できる会社に
していくために

SIの、コンサルタントとしての形
御社の事業内容・事業上の特徴についてお聞かせ下さい。

家永社長:当社はメンバーがたった17人の規模としては非常に小さなSI(システムインテグレータ)会社です。こうした小規模のSI会社では、実装やテストの一部のみ請け負う形が一般的ですが、当社の場合、流通業界に特化してきたノウハウを持って、案件を上流から受注できるのが強みですね。

どのような経緯でそのようになったのですか。

家永社長:設立当初はやはり、「これだけ作って」と言われるものをそのまま作る仕事からだったんです。しかし、今上流の仕事ができているのは、当社が「もっとこうしていきましょう」と、こちらからお客様に対して新しい提案をして、少しずつ任せて貰い、成果を出したことによって、上流にシフトしていくことができたんですよ。

なぜ、御社にはそれが可能だったのでしょうか。

家永社長:それは当社と他社では考え方が少し違うのかもしれません。当社はまずお客様が実現したい業務を理解した上でできることを整理し、将来性まで含めてお客様と一緒に考えていきます。その上でシステム設計から入り、外部ブレインのコントロールやスケジュール管理を行いつつ、実装・テスト・納品・管理までワンストップ工程を請け負います。変化が早い流通業界では、単にシステム開発という専門域にとどまらない、こうした柔軟な提案力や設計力が重要なんですよ。

最後に必要なのはスキルではなく人柄
今後の事業戦略についてお教え頂けますでしょうか。

家永社長:ECに特化して成長してきた当社ですが、ソリューションの範囲をもっと広げていきたいと考えています。 そのためにはまず大掛かりな採用の実施による人材の採用・育成が急務。事業戦略の柱と考えています。その上で、ECシステムだけでなく、より多様なシステム開発、基幹業務や会計システムまで、すべて一貫して受注できる体制を整えていくことが必要。当然、会社の規模は大きくしていかないといけません。いずれは自分たちがつくったオリジナルのシステムを運用して、顧客にサービスとして提供していくようなビジネスも展開していきたいですね。

事業拡大に伴い、優秀な人材の確保も重要になってくると思います。どのような人材を求めていらっしゃいますか。

家永社長:私たちの目的は商品を売ること。システムをつくるのは手段なんです。だから、仕組みが先にある現在の主流というのは実はおかしなこと。最近では、目的が理解されないシステムはすでに勝てなくなりつつあります。実際、利潤追求という目的に、システムの理解は必要ありませんから。そういった、既存の「おかしいこと」を「おかしい」と言える主体性を持った人が、これからの当社には必要なんです。専門知識やスキルも大切ですが、まずはそうした意識を私たちと一緒に伸ばしていって欲しいですね。そのためにはコミュニケーション能力、つまり「明るくて誠実」であるという性格や性質そのものが、最も大切になってくるんだと思います。