明日の仕事にきく。読めば俄然やる気になる ビジネスキーパーソンwebインタビュー

株式会社プロジェクトニッポン 代表取締役社長
松谷卓也

●松谷卓也(まつたにたくや)1967年兵庫県出身。立命館大学卒業後、リクルートに入社。03年12月経済産業省から起業家輩出支援事業「ドリームゲートプロジェクト」を受託、事業責任者として立ち上げを担当する。04年、リクルート社退社、株式会社プロジェクトニッポン設立、代表取締役就任。

第47回 前編

世の中、そして日本を変えていきたい

起業をメジャーな存在にしたい
最初に御社の会社概要をお聞かせください。

松谷社長:経済産業省後援事業として2003年4月発足に発足した「ドリームゲート」を運営しています。ドリームゲートでは、起業家の育成、支援を行っています。ただ、「支援」という言葉は、なんとなく上目線の感じもありますので、「応援」のほうが適切かもしれません。

ドリームゲートでは、具体的にどのように起業家を応援しているのでしょう。

松谷社長:ウェブサイト上での、起業に必要な情報の提供がメインです。他にも無料で相談、アドバイスを受けられるサービスなどを提供しています。

ドリームゲート、社名のプロジェクトニッポンともにスケールの大きな名前ですね。

松谷社長:そうですね。ドリームゲートには文字通り、「夢をかなえる扉を作ろう」という思い、プロジェクトニッポンには「世の中、そして日本を変えていきたい」という想いがこめられています。

ちょうど、03年は景気も悪く「失われた10年」といわれていた時期でみんな元気がありませんでした。それに、起業という言葉自体もあまりポジティブに捉えられていませんでした。そんなイメージを変え、起業がメジャーになる必要があると考えていましたので、王道感やメジャー感のある名称が必要だと思ったのです。

整いつつある起業家を生む風土
そもそも、なぜ起業家支援に携わろうと考えられたのですか?

松谷社長:大学で都市計画を専攻していて、周りのみんなは卒業後、ゼネコンに就職していきました。しかし、私は高校時代にプロのテニスプレイヤーになる夢を諦めたというのがあるので、そうした「決められたレール」のような進路は絶対にイヤだと考えていました。そこで、自分の可能性を試し、日本を変えていくようなスケールの大きな仕事をしたいと思い、リクルートに就職しました。

リクルートには本当に優秀な人がおり、自信を失いかけたこともあります。ただ、そのおかげで刺激を受け、成長できたと思います。そういう意味では素晴らしい職場でした。ただ、会社勤めですので「枠から飛び出せない」「もっと大きな仕事をしたい」というもどかしさもありました。その想いが、プロジェクトニッポンの立ち上げ、起業家の応援という今につながっています。

今の日本の起業家を取り巻く環境をどう捉えていらっしゃいますか?

松谷社長:10年前に比べれば、すごくよくなっていると思います。

例えば、「起業家を尊敬しますか?」という問に、イエスと答えたのは99年ではたったの8%でした。それが今では半数近くになっています。このところ、いい意味でも悪い意味でも、起業家が目立っていたからでしょう。その中には、自分の生き方を貫き、かっこいい人生を送っている人もたくさんいます。そういう成功者の生き生きとした姿を見て、起業家に対するイメージが良くなったのだと思います。

また、そういう起業家をよく目にするということは、分かりやすいロールモデルがあるということです。これまで自分とは関係ないと思っていた起業を身近に感じることもできるでしょう。ですので、起業家を生み出す風土はでき始めています。

成功のノウハウは成功した人が持っている
確かに起業を目指す若い人は増えています。そういう方に、成功の秘訣をお教えください。

松谷社長:まず、現在の日本の起業の課題は、成功のノウハウが十分に共有されていないことだと思います。

成功のノウハウは、成功した人が持っているものです。成功するためには、それを知ることが大切です。できれば見よう見まねではなく、また本などの2次情報ではなく、近くでアドバイスをもらえるのが一番です。エネルギーの感じ方が全然違うのです。ドリームゲートではもっとそうした機会を提供していこうと思っています。

後編
まずは目の前のことに一生懸命に
起業家を応援する立場の松谷社長は、自信の成長のためにどういったことを心がけているのかを伺いました。また、ビジネスパーソンとして必要な資質についてもお聞きしました。