明日の仕事にきく。読めば俄然やる気になる ビジネスキーパーソンwebインタビュー

株式会社アントレサポート
代表取締役社長
鈴木友華

●鈴木友華(すずきゆうか)1971年、東京出身。服飾専門学校を卒業後、不動産会社、広告代理店での勤務を経て、96年に株式会社エスジェイプランニング(現株式会社アントレサポート)を設立。レンタルオフィスの運営に加え、「不動産コンサルタント」「スクール事業」などを行っている。

第37回 前編

起業を目指す方をサポートする事業を

事業拡大に集中できる環境の提供
最初に会社概要をお聞かせください。

鈴木社長:起業家やSOHO事業者向けのレンタルオフィス「アントレオフィス」を運営しています。起業したいと思っても場所がない、という方は多いと思いますので、そういった方に場所と、受付や常駐秘書といったサポートを加えて提供しています。

ただ場所を提供するだけのレンタルオフィスではないのですね。

鈴木社長:提供しているオフィスは大きくても3名ほどが活動できるスペースで、ご利用いただいているのも創業初期であったり準備期間の会社が中心です。そういった少人数の会社の場合、売上げに直結する営業に力を入れたいものです。しかし、昼間、全員が出払ってしまったら、会社の窓口である受付や電話対応ができなくなりますよね。かといって、そのためだけの人を雇うのもコストがかかる。

そこで、弊社が場所とともにサポートを提供する意義があります。きちんと教育を受けた秘書スタッフが対応しますので、安心してご自身の会社を大きくすることに集中していただけます。

ですので、スペースの提供というよりは、ビジネスサポート、秘書代行の側面が強く出ているのがうちの特徴だと思います。将来的には業績も上がり、もっと大きなオフィスに移ってください、という気持ちを持っています。

独立するのもひとつの手
ご自身の起業の経緯を教えてください。

鈴木社長:最初は不動産会社に就職しました。そこで関わった広告の仕事に興味を感じ、広告代理店に転職しました。小さな会社でしたので、入社してすぐ仕事を任され、朝から晩まで頑張って働き、実務について色々と学ぶことができました。

ただ、入社して2年ほど経ったころでしょうか。バブル崩壊のあおりを受け、会社が倒産寸前になりました。今後どうしようと考えていたときに、担当していたクライアントの方に「独立するのもひとつの手」といったことを言われ、面白そうだ、やってみようと、退職し起業準備を始めました。

最初はどういった事業内容だったのですか?

鈴木社長:前職での経験がありますので、広告代理店業です。ワンルームの事務所を借りて、電話と机だけで始めました。

それがなぜ、現在のようなレンタルオフィス事業を始められたのですか?

鈴木社長:実際、私が起業したときに強く感じたのが、「事務所を借りるのに何でこんなにお金がかかるの」ということでした。加えてビジネス機器の準備にもお金がかかります。そうしたものを安価で提供できればニーズがあるだろうとレンタルオフィス事業の立ち上げを決めました。

また私自身、起業当初は分からないことだらけで、たくさんの方に助けていただきました。ですので、今度は私が起業を目指す方をサポートしたいとも思いました。その結果、今のような事業につながりました。

人と人とのかかわりの大切さ
起業された当初のことを今振り返ってみてどうですか?

鈴木社長:当時は経理のケの字も知らない素人でした。そんな状態で、よくやったなと(笑)。いまだと色々リスクを考えてしまって二の足を踏んでしまいそうです。

それでも踏み切れたのはなぜですか?

鈴木社長: 何も知らなかったからこそできたのかな、と思います。先ほど申し上げたように、親しくしていたクライアントさんに相談したのですが、その方もまさか本当に私が起業するとは考えてなかったのかもしれません。起業の楽しい面を伝えてくださったので、じゃあ私もやってみようという気になりました。

今考えたら、まだ前の会社にいるときに、「会社がつぶれそうなんです。どうしたらいいでしょう」なんて相談するのはやってはいけないことだったのかもしれません。でもその方は、まだ若かった私を応援するような姿勢で接してくださっていたので、思わず色々と話してしまいました。

仕事だけでなく、人間としてのつながりを築かれたわけですね。

鈴木社長:はい。その方とは今でも親しくさせていただいています。やはり人と人とのかかわりは大切なんだな、と思います。

最初の一歩を恐れずに
起業から約10年、さらに事業を拡大、発展させている鈴木社長に、仕事を楽しむために必要なことや、社長として心がけていることを伺いました。