明日の仕事にきく。読めば俄然やる気になる ビジネスキーパーソンwebインタビュー

株式会社ワイキューブ
社長
安田佳生

●安田佳生(やすだよしお) 1965年大阪生まれ。高校卒業後、18歳でアメリカに渡り、オレゴン州立大学で生物学を専攻。リクルートを経て90年、株式会社ワイキューブ設立。主に中小・ベンチャー企業を対象とした経営戦略の立案や、採用コンサルティングなどを行っている。ベストセラー『採用の超プロが教える できる人できない人』や『千円札は拾うな。』など著書も多数。
(株)ワイキューブWebサイト http://www.y-cube.co.jp/

第24回 後編

安田流の仕事を楽しむ方法とは?

社風は社長が作るもの
御社はとても自由な社風だと伺いました。

安田社長: 私は社風は社長が作っていると思っています。ですから、社長も頭をやわらかくする必要がありますね。 うちの会社でもその辺のことを意識して、社員は私のことを社長ではなく、安田さんと呼ぶように、役職では呼ばないことにしています。また、細かく社員をしばることはしないようにしています。

ただ、しばられていない分、社員の努力次第という部分が大きくあります。頑張ろうと思えばいくらでもがんばれる分、みんな忙しく働いています。

忙しくて仕事がいやになる人もいますよね。

安田社長: 楽な仕事は楽しくありません。忙しいのと辛いのは別物です。もし忙しくて仕事がいやになっているのなら、そういう方はもしかしたら仕事の楽しみ方を知らないのかもしれません。やらなければいけない仕事をさくっと終えて、やらなくてもいい仕事に、取り掛かるのです。そうすれば仕事が楽しめます。

やらなくてもいい仕事とは?
やらなくてもいい仕事とは?

安田社長: たとえば、お客さんから求められていることに応えるのはやらなくてはいけない仕事です。それに加えて、お客さんが想像もしていなかったことを付け加えてあげようと頑張るのがしなくてもいい仕事といえます。つまり、求められているからするのではなく、「こうしたい、こうしてあげたい」と自分の意思でやる仕事のことです。

なるほど。

安田社長: とはいえ、時間は限られていますし、やらなくてはいけない仕事はたくさんあります。まずは20代のころにとにかく仕事を頑張って、やらなくてはいけない仕事を素早くこなす技術を身につけることです。その時は大変かもしれませんが、技術が身につけば、やらなくてもいい仕事を楽しむ余裕ができるはずです。とにかく若いうちは頑張るべきです。向き不向きはその後で考えればよいのです。

今はお忙しいですか?お休みは取れていますか?

安田社長: きちんと休んでますよ。今は週休3日です。

週休3日ですか。土日も出社という社長も多い中、珍しいですよね。

安田社長: 自分が毎日出社しなくても大丈夫なように、人が育っていれば問題ないのではないでしょうか。それでも銀行の方に会うなど社長しかできない仕事もあります。それは出社している間に済ませ、残りの時間を「社長がするべき仕事」にあてています。

「社長がするべき仕事」とは?

安田社長: 会社を大きくするためにはどうすればよいのか、2、3年後のことを考えることだと思います。それこそが社員ではなく、社長がするべき仕事だと考えています。

「どんな人生がかっこいい」いいのかの基準を持つ
小さいころはどんなお子さんでしたか?

安田社長: 自分ではあまり認識していませんが、親からはよく「ユニークな子供だった」と言われます。勉強は、授業が嫌いでしたし、成績も気になりませんでした。体育は着替えるのが面倒で嫌いでしたね。好きだったのは図工です。やっぱりユニークだったのかもしれませんね(笑)。

大学に進学せず、アメリカに行ったというのも結構ユニークかも知れませんね。
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安田社長: その当時から会社に勤めようとは考えていませんでした。10年後の自分がある程度見えてしまうのがいやだったのです。もし社長になっていなかったら、フリーのカメラマンかコピーライターになっていたと思います。

最後に読者にメッセージをお願いします。

安田社長: どんな仕事をするのかは自分の判断基準次第です。若い人にはどんな人生がかっこいいのか、自分なりの基準を持っていただきたいです。そして、失敗することを恐れないでほしいです。

編集を終えて
オフィス内には社長室はなく、安田社長はよくオフィス1階のカフェスペースで仕事をしているという。そんな開放的な雰囲気の中で、さまざまな新しいアイディアが生まれてくるのだろうと感じた。「3年と同じことを続けたことはない」という安田社長の新しい挑戦にこれからも注目していきたい。