明日の仕事にきく。読めば俄然やる気になる ビジネスキーパーソンwebインタビュー

ソウエクスペリエンス
代表取締役社長
西村琢

●西村琢(にしむら・たく)1981年生まれ、04年慶應義塾大学経済学部卒業。在学中に株式投資クラブ「SYNC」の立ち上げや、松下電器主催ビジネスプランコンテストで勝ち抜くなどして注目を集める。05年5月にソウエクスペリエンスを設立し、代表取締役社長に就任。「モノ」ではなく「エクスペリエンス(経験)」をプレゼントするというコンセプトが好評を博している。
ウエクスペリエンス(株)Webサイト http://www.sowxp.co.jp/

第22回 前編

多くの人に「経験」の種をまきたい

「新しい経験」のきっかけ作り
御社のサービス内容をお教えください。

西村社長: 簡単にいうとカタログギフトですが、商品はモノではなくエクスペリエンス(経験)です。カタログにはヨガやエステ、乗馬など様々な「経験」が掲載されていますので、カタログを受け取った方は、その中から興味のあるものを選んで、体験することができます。誕生日や母の日などの記念日に利用される方が多いようです。今後は結婚式の引き出物などにも利用していただければと思っています。

ソウエクスペリエンス(Sow Experience)という会社名の由来は?

西村社長: Sowは「種をまく」、Experienceは「経験・体験」という意味です。語呂がよかったというのもあるのですが、「たくさんの人に新しい経験・体験の種まきをする」、つまりそのきっかけになりたいという思いがこめられています。

大変でも「自分が楽しい」と思える仕事
なぜこうしたサービスを始めようと思われたのですか?

西村社長: 私は、CDショップのヴァージンレコードなどで知られるヴァージングループの会長リチャード・ブランソン氏が経営者として好きなんです。それでヴァージングループが同じようなサービスをやっているのを知って、「これは面白そうだ!」と思ったのがきっかけです。日本ではあまり知られていませんが、イギリスでは20年ぐらい前からあるポピュラーなサービスだそうです。それで2005年の5月、私が24歳のときに会社を作り、10月からサービスを開始しました。

最初のころは苦労も絶えなかったのでは?

西村社長: 確かにいろいろと大変なこともありました。サービスが開始するまではただお金が出て行くだけですから不安でしたし、サービスを開始してもしばらくの間は本当に閑古鳥が鳴いている、という感じでした。

「もうやめてしまおう」と思われたことはなかったですか?

西村社長: それはないですね。状況として大変だったのは確かですが、私自身が仕事を楽しんでいましたので。

カタログに掲載している「体験」の内容にもこだわられてるんでしょうね。

西村社長: そうですね、とても慎重に集めています。うちのサービスの根幹ですので、まず実際に体験してみておすすめできると思ったものだけを掲載しています。

高校生のころに株を始め経営に興味
もともと会社経営に興味をもたれたきっかけをお聞かせください。
カタログは5,250円の「ブルー」と、1,0500円の「グリーン」の2種類から選ぶことができます。

西村社長: 私が高校生のころ、世間ではITバブルと騒がれ、株についても注目が集まり始めていました。そんな時、たまたま学校帰りに立ち寄った本屋さんで株関連の本を手り読み始めたら、それが面白かったんです。それから小さな額ですが株を始めるようになりました。

株を始めると、たった数株でも企業のオーナー気分です。そうすると会社経営や経営者をしっかりと見ていくようになります。中には、「新しい社会を作っていくのはこの人たちだ」と思える経営者もいたので、私自身も会社経営に興味を持ち始めました。

株式投資はその後も続けられていたのですか?

西村社長: 大学に入ってからは投資クラブを作って仲間と一緒にやっていました。私にとって株は非常に面白いものだったんですが、欠点は孤独なこと。その欠点を補うために仲間を募り、1人5万円ずつぐらい出し合って運用していました。活動もただ運用するだけではなく、自分たちでウェブサイトを作ったり、会社を訪問して経営者にお会いしたりと多岐にわたっていました。そうした活動を通じて、ますます会社経営への興味を深めました。

大切なのは「生き方をデザインすること」
24歳という若さで起業に踏み切った西村社長に、判断に迷った際どう決断すればよいかや、仕事をする上で大切にしていること、読者へのアドバイスなどを伺いました。