明日の仕事にきく。読めば俄然やる気になる ビジネスキーパーソンwebインタビュー

株式会社ECナビ
CEO
宇佐美進典

●宇佐美進典(うさみしんすけ)1972年生まれ、愛知県出身。早稲田大学商学部卒業後、トーマツコンサルティングに入社し、金融機関の業務改善プロジェクトに携わる。99年にアクシブドットコム(現ECナビ)を設立し、取締役CCOに就任。02年10月に代表取締役CEOに就任。05年11月にサイボウズと合弁でcybozu.netを設立して代表取締役CEO就任(現任)。同年12月サイバーエージェント取締役就任(現任)。
価格比較サイトECナビhttp://ecnavi.jp/

第19回 後編

仕事に打ち込める時間を大切にしたい

マンガを読んでリフレッシュ
幼いころは、どんなお子さんでしたか?

宇佐美社長: 愛知の田舎に住んでいましたから、田んぼで泥だらけになって遊ぶような活発な子供時代でした。でも、本もけっこう読みましたよ。たとえば小学校の高学年のときに読んだ花登筺の『あかんたれ』や山本有三の『路傍の石』は面白かったなあ。

小学生が読む作品ではないですよね。

宇佐美社長: 商人というか、丁稚が頑張って成長していく姿が面白かったんでしょう。ただ、小説ばかり読んでいたわけではないんです。昔からマンガが大好きで、いまでも毎日のように読んでいます。

毎日はすごいですね。

宇佐美社長: ヤンジャン、ヤンマガ、サンデー、マガジン、スピリッツ…。コンビニに置いてあるような漫画週刊誌は、ほとんどすべて読んでいます。コンビニで社員に見つかると、ちょっと恥ずかしいですけど、いい息抜きになっています(笑)。

学生結婚で時間のありがたみを知った
毎日、どんなスケジュールでお仕事されているのですか?

宇佐美社長: 早いときは朝は7時半に出社して、夜は1時から3時くらいまで会社にいます。

会社に長時間いらっしゃいますね。

宇佐美社長: ずっと会社の仕事だけをしているわけではなく、深夜にブログを書いたり、早めに会社を出て、仕事上のお付き合いでお酒を飲みに行くこともあります。どこまでが仕事でどこからがプライベートだという意識は、あまりないかもしれません。

オンとオフの境目がないと疲れませんか?

宇佐美社長: そうでもないですよ。何時間働いても苦にならないのは、きっと学生結婚の影響が大きいのでしょう。

というと?

宇佐美社長: 学生のころはすでに結婚して子供もいたので、子育てやバイト、授業に忙しく、何かにじっくり打ち込める時間なんてありませんでした。おかげさまでいまは何の制約もなく、自分の好きなことに時間を使える。私にとって、こんなにありがたいことはないですよね。

迷ったときは前へ進め!
休日はどのように過ごしていますか?

宇佐美社長: 普段は土日も何か仕事していることが多いですね。まるまる休めるのは、月に3〜4日くらい。先日は、ひさしぶりにまとまった休暇を取ってカンボジアに家族旅行してきました。

カンボジアはいかがでしたか?

宇佐美社長: カンボジアは2回目でしたが、楽しかったですよ。向こうでは、日本から持っていった『のだめカンタービレ』という漫画を親子3人で読んでました(笑)。頭をカラッポにして過ごすことができたので、いいリフレッシュになりました。

最後に読者にメッセージをお願いいたします。

宇佐美社長: 人生ではいろいろな岐路に立たされることがあると思います。でも、そこで立ち止まって悩んでいても事態は変わらない。大切なのは、とにかくやってみることです。「やらないで後悔するより、やって後悔したほうがいい」とよく言いますが、私の経験上、やって後悔したことはありません。何かに迷ったときは、勇気を持って前に進んでいただきたいですね。

編集を終えて
好きなマンガをコンビニで立ち読みするのが日課になっているという宇佐美社長は、どこか親しみやすさを感じさせる経営者だ。そのせいか社内の雰囲気も明るく活気にあふれているが、成長の要因はそれだけではないだろう。順調だった事業にしがみつかずに、新しい事業領域へとシフトして成功をおさめたのも、トップの決断力と先見性があったから。今後の事業展開にも、大いに注目しておきたい。