明日の仕事にきく。読めば俄然やる気になる ビジネスキーパーソンwebインタビュー

株式会社日広
代表取締役社長
加藤順彦

●加藤順彦(かとうよりひこ)1967年、東京都生まれ。関西学院大学入学後、株式会社リョーマの創業に参加。情報通信サービス、コンテンツ事業などでさまざまな学生起業を友人達と手がける。事業の終焉にともない、徳間書店グループへ勤務。音楽・映画などのプロモーションなどに携わる。92年に日広を設立。
(株)日広Webページhttp://www.koukoku.jp/

第18回 後編

学生時代にビジネスを学んだ

経営者一族に生まれて
小さなころはどんなお子さんだったんですか?

加藤社長: 私はけっこう特殊な環境で育ったかもしれません。祖父も父親も経営者で、実家は300坪以上もある大きなお屋敷。ハイヤーで祖父の送り迎えをするような家でした。小さいころはそれが普通だと思っていたから恐ろしいですね(笑)。

そういった環境で育つと、自分も経営者になろうと自然に考えるものですか?

加藤社長: 小学校5年生のときに創業者だった祖父が亡くなったんです。祖父のお葬式には1000人を超える方が参列してくださって、私は喪主である父親の隣に座っていました。すると、みなさんが口を揃えて、「おじいさんが作った会社をキミが守らなあかんのやで」と声をかけてくださった。そうなると、否が応でも自分は経営者になるのだということを意識するようになります。

資金がなくてもビジネスはできる
学生時代は、どんなふうに過ごしていましたか?

加藤社長: 商売の勉強をしようと思って商学部に進学したのですが、ケインズを読んでも実際の商いには何の役にも立たないことに、入学してから気がつきました。入学早々、五月病でしたよ(笑)。

その後、イベントを企画している先輩と知り合い、行動を共にするようになりました。19歳のころに、その先輩が学生向けに運転免許合宿の斡旋をするビジネスを立ち上げたので、そのお手伝いをしていました。

合宿免許に目を付けたのはなぜですか?

加藤社長: 運転免許は、学生がお金の使いみちの中でも、もっとも額が大きい買い物の1つ。私も大学に入る前、それまで大事に貯めていた貯金をはたいて免許を取りましたからね。これはビジネスになると思いました。

ただ、学生起業でお金がないから、広告も打てないし、パンフレットもばら撒けない。そこで各大学の合格発表の日に出向いて、合格したと思われる表情の明るい人に絞ってパンフレットを配布。その結果、なんと160人の申込みがありました。これが私の初めてのビジネス体験でした。

当時の体験は、いまのビジネスに役に立っていますか?

加藤社長: そうですね。その後も先輩や知り合いの起業にいろいろと参加させてもらって、ビジネスの面白さや仕組みを学ぶことができました。私が会社を興したのは7年後の25歳でしたが、それまでのさまざまな経験と人脈が現在に活かされていることは間違いありません。

元気の秘密はサプリメント
プライベートで気にかけていることはありますか?

加藤社長: やはり健康でしょう。ここ15年くらい、毎晩いろいろな人に会って会食をしていますが、さすがに近頃は体がついていかないことが多くて。若いころは睡眠時間が3時間でも平気だったんですけど、いまはそれだと翌日に影響が出ます。

忙しい中、睡眠時間はどうやって確保されるのですか?

加藤社長: 最近、思い切って会社の近くに引っ越したんです。通勤時間が短くなったので、そのぶんじっくり眠れるようになりました。いまは最低でも1日5時間は確保するようにしています。

その他、健康で気をつけていることは?

加藤社長: じつは私はサプリメントマニア。健康のために1日11種類のサプリを飲んでいます。実際の効果はよくわからないのですが、精神的な部分が大きいのかも。病は気から、といいますが、サプリを飲むととにかく健康になった気がするんですよね。ビジネスマンは体が資本。これからも元気に働きたいですね。

編集を終えて
ここでは紹介しきれなかったが、学生時代の起業話をいろいろと披露してくれた加藤社長。何も知らなかった10代の少年が、試行錯誤を繰り返してビジネスパーソンとして成長していく数々のエピソードは、創業以来、つねに新しい広告に挑戦してきた日広の姿とだぶって見えた。今後も注目の企業だ。