最善のコミュニケーションのために
ラスベガスには、ドライブスルーの結婚式があります。カップルの気持ち次第ですが、やはり冗談に使う人が多いそうです。大切な約束をするときは、相応のシチュエーションが必要ですよね。
前回もお伝えしたように、コミュニケーションのはじめ方には3つのステップがありますが、さらに求める結果を出すためには、最適なタイミング、最適な場所を意識して始める必要があります。
たとえば、すれ違いざまに重要な案件を依頼するのと、時間と場所を予め約束した後に打ち合わせするのでは、どちらが相手に響くでしょうか?もちろん後者ですよね。
ただし、いつ、どの場所で伝えるのが正しいのかという問いに絶対的な正解はありません。用件、重要度によって、そのつど考える必要があります。しかし、場所、時間などのシチュエーションを意識することは、とても重要です。どんな言葉、どんな言い回しで、と考えることと同じくらいに。
「そんなこと今更いわれなくても分ってるよ」という声が聞こえてきそうですが、皆さんが思っている以上に、できていないことの方が多いものです。しかも、意外なことに、いつも以上に気をつけたい重要な話題の場合は特に。
普段は慎重な人でも、伝えるべき「最適なシチュエーション」を考えられなくなってしまうことがあります。その大きな原因に相手に伝えたときの反応に対する「不安」があります。重要な話題に多いと言ったのは、ここに理由があります。
不安なこと、言いたくないことは、最低限の義務「伝える」ということだけで済ませ、さっさと終わらせてしまいたいと考えがちです。これでは、言いにくく、不安を強く感じるほどの重要な問題であるはずなのに、それが相手に伝わりません。とりあえず伝えたから分かってくれるだろう、では他人任せというものです。
健全な精神の持ち主なら、不安感が強い問題ほど避けたくなるのが自然です。それをよく理解して、重要な話題こそ感情的にならずに意識的に最適な場所、時間を選び、最善のコミュニケーションを用意しようと努めてください。
この体験を重ねるほど、コミュニケーションの達人に近づき、同時に楽観力を育むことができるでしょう。