先ず、あなたが幸せであれ
みなさん、初めまして。プロフェッショナル・コーチの吉野 実岐子(よしのみき)です。8月のお盆の頃まで、これから5回に渡って、こちらのコーナーを担当させて頂きます。どうぞ、おつきあい下さい。
さて、第1回目の今日。初めに、あなたに伺いたいことがあります。
『あなたは、今この瞬間、幸せですか?』
みなさん、ご自分の答えを、用意して下さいね。もちろん、「分からない」もOKです。同時に「分からないで終えず、何か見つけたい」と好奇心が疼く方は頭で考え込むのでなく、1日をあなたと共に過ごす、体に聴いてみて下さい。
さぁ、ご自分の答えを、口にしてみましょうか。口にしながら、体の感覚や湧いてくる気持ちにも、意識を向けて下さいね。
幸せだ、と迷いなく即答した方、いらっしゃいますか?
実は、一般に、市場価値がかなり高いとされる方々に、上記の問いをお渡しすると、以下のような、お答えを頂くことがあります。
『う〜ん、この年齢でこれだけ稼いでて、家族もいるし、そこそこ幸せだよ』
『こんなグローバル企業で、この年齢で、この役職をやり抜いているんだ。そりゃ、幸せですよ』
『経営者として、太平洋を小舟で横断するような、シビアさを味わいながらも船を大きくし、今じゃ、従業員もこんなに増えた。私は成功してるよ』
どの答えも、年収、役職名、過去、実績などを持ち出し、幸せの理由付けがされています。また、年齢を軸に、他人と比較した結果、という条件付きの幸せが語られています。
もちろん、悪くありません。市場価値に限らず、あらゆる価値は、他者との比較から生まれます。違いこそが価値です。
ただ、上記のコメントに、みなさん「幸せ」を感じますか?
例えば、初めて子を持つ親のように、結婚式の新郎新婦のように、幸せが溢れ出ている人に見えますか?一緒にいると、幸せを味わえそうですか?
幸せでなく、実は「成功」が語られ、「今この瞬間」でなく過去に視線が向けられ、ご自分の気持ちでなく、置かれている状況、つまり内でなく外を見ての回答ばかりですね。
成功は、時間軸を必要とする考え方です。基点をどこに置くかに拠り、同じ現象が、成功への通過地点と呼ばれたり、失敗と呼ばれます。ところが、幸せは本質的に「今この瞬間」にしかない、主観的な感覚です。
ビジネスでは主観や感覚は嫌われますが、市場価値が高いことの本質は、周りの人を幸せにできること、ではないでしょうか?あなたが幸せであれば、周囲に人が集まり、あなたに憧れるフォロワーが生まれ、あなたはリーダーシップを発揮することになるでしょう。その時、あなたの市場価値も、高まっているでしょう。
『先ず、あなたが幸せであるには、どうしたらいいか?』
ぜひ、次号まで、この問いを持ち続けて下さい。