「顧客」に恋せよ
前回は「インフルエンサーに愛されよ」でした。アパレル問屋を経営する社長がすっかりAさんのインフルエンサーとなってしまい、自社商品よりもAさんの靴の宣伝をしていたというお話でした。
今回のテーマは、正確に表現すると「商品を愛するな、顧客に恋せよ」です。これはどういうことかというと、私たちがいつも間違ってしまう、商品を愛するが故に、お客様に引かれてしまうことを戒めているのです。
営業マンならずとも、真面目に仕事に取り組むビジネスパーソンなら、自社の商品を愛するのは当然のことでしょう。営業の指南書を読むと、まず自社の商品を愛せよ、と必ず書いてあります。
しかし、それは果たして正しいのか?あなたが仮に見込み客の立場にある時、「これが良いですよ」「こんなに素晴らしい商品ですよ」と声をからして訴えられれば訴えられるほど、あなたの心が冷めていった経験は無いでしょうか?つまり、営業マンがどんなにその商品を愛して熱弁しても、あなたにはもともと愛は無いのですから、あなたにとっては迷惑なだけ。
ですから、自分の商品を愛してはいけないのです。「まあ、良いかな」程度に収めておく。その代り、お客様そのものに恋すれば良い。皆さん、自分が恋をした時のことを思い出してみてください。明けても暮れても、ああ、あの人はどうしているだろう、今度あったらあんなことを言ってみよう、ああ、あの人はどんな食べ物が好きだろう、何か困っていたら、助けてあげたいなぁ、などと考えるのではないでしょうか?
それが、「顧客に恋する」ということです。もしそのような状態にあなたがなったとしましょう。そして仮にもし、お客様があなたの商品と、他社商品を比較するような場面が来た時、あなたは冷静に、お客様の立場で、そのお客様にとってよりメリットのある商品をアドバイスできます。もしかすると他社商品を、あなたは勧めるかもしれません。
するとどういうことが起きるか?あなたは大いに信頼されるのです。なぜならあなたはその道の専門家だからです。その専門家が自社商品ではなく、他社商品を勧めるということは、本気で顧客のためを考えてくれる、素晴らしい人物、信頼に足る人と位置付けられます。そこからあなたの言うことを本気で聴きたいという姿勢に、初めてお客様はなれるのです。
実は、前述のAさんはそのように、本気でアパレル問屋を経営する社長に恋する人でした。自社商品はまったく売り込まず、社長の危機を思って、神社に真剣にお参りに行った。それが、社長を感動させ、とりこにし、社長をインフルエンサーにしてしまった理由です。
「商品を愛するな、顧客に恋せよ」やってみてください。あなたの市場価値が必ず上がります。
次回は「どんな人が成功するか」です。あなたの市場価値を上げるための秘訣、ヒントを語ります。ご期待下さい。
市場価値の高い人物は、商品を愛さず、顧客に恋する。
それが顧客を虜にする。
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